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優秀なリーダーの特徴・条件をプロが特定
目次
優秀なリーダーの特徴・条件を考えたことはありますか?
リーダーは企業組織だけではなく、地域のコミュニティ、そして国を形成します。私たちを導き、世界を動かすために必要な大規模な意思決定を行うためには、優れたリーダーが必要です。
私たちの社会において悪いリーダーはすぐに見分けられますが、良いリーダーはどういった条件で見分けられるのでしょうか?大多数の人にとっての良いリーダーとはどのような特徴を持った人なのでしょうか?
この疑問に対する答えを、リーダー育成分野の権威であるCCL(Center for Creative Leadership)が、累計40年にわたる綿密かつ大規模なリサーチをもとについに特定しましたので、本記事にて紹介します。ぜひご自身や上司と照らし合わせながら、ご覧ください。
優秀なリーダーの特徴・条件とは
優秀なリーダーは一貫して以下にあげた10個の特徴・条件を満たすことがCCLの調査によって明らかとなりました。
1.誠実さ
誠実さの重要性は明らかでしょう。従業員の評価には必ずしも反映されませんが、誠実さは個人にとっても組織にとっても不可欠な特徴・条件です。特に組織の方向性を示しつつ、日々あらゆる場面で重要な決定を下すトップレベルの幹部にとっては欠かせません。企業組織においては、各階層のリーダーに対して、誠実さの重要性を強化・強調するようにしましょう。
2.権限を移譲する能力
権限移譲、つまり他者に仕事を任せていく能力は、リーダーの重要な責務の一つです。ただ、権限移譲の難しさは一度でも組織やチームのリーダー的な役割を担ったことがある人であれば分かるのではないでしょうか。
権限移譲の目的は、自分が自由になることだけではありません。大切なのは、部下の成長を促し、チームワークを醸成し、一人一人に自主性を持たせることで、組織全体としての成果を最大限に引き出すことです。優秀なリーダーは、より効果的に権限移譲するために、日頃から部下との信頼関係を築くように心がけています。
3.コミュニケーション
秀でたリーダーシップと効果的なコミュニケーションは強い相関があります。優秀なリーダーは情報伝達を通じて、相手のモチベーションを高めたり、指導したり、さまざまな効果をもたらすことができるコミュニケーションの達人です。
また、役割、地域、社会的アイデンティティなどを超えて、多様な人とコミュニケーションを取ることができなければなりません。例えば、組織内のリーダー間のコミュニケーションの質と効果は、ビジネス戦略の成功にも直結します。効果的なコミュニケーションとより良い会話がどのように組織文化を向上させるのかについては、別途ご紹介します。
4.自己認識
内面的な特徴ですが、自己認識と謙虚さはリーダーシップにとって最も重要といっても過言ではありません。自らを分析し、自分の長所と短所をよく認識しているほど、リーダーとしての特性は高まります。自分が他人からどのように見られているか、職場でどのような態度をとっているかを今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。自覚を高める4大ポイントと、それぞれを強化する方法については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
リーダー育成|自覚を高める4大ポイントを人材開発のプロがついに特定
5.感謝の気持ち
感謝の気持ちを持つことで、自尊心が高まり、憂鬱や不安が減り、よく眠れるようになり、より良いリーダーになることもできます。ただ、「感謝を示してくれる上司のためなら仕事を頑張れる」と多くの人が言っているにもかかわらず、職場で普段から「ありがとう」を言葉にして伝えている上司は少ないのが実状です。真に優秀なリーダーは、職場で心から感謝の気持ちを示すように心がけています。
6.短期学習能力
短期学習能力とは、あらゆる体験を学びに変える姿勢をもち、得た教訓を蓄積して必要な場面で直ぐに引き出して活用する能力です。
もしあなたが「新たな知識・スキルの習得が速い」「慣れない環境でも優れた能力を発揮できる」といった特徴をもっているのであれば、すでに短期学習者(Agile Learner)の可能性があります。もしそうでなくても、練習、経験、努力によって、誰でも短期学習能力を身につけることができます。優秀なリーダーは短期学習能力を持つ優れた学習者であるという点については、こちらで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
「キャリアが不安、スキルがない」は短期学習能力が原因?自己チェック付き
7.影響力
論理的、感情的、あるいは協調的なアピールによって人を説得する能力は、人を動かす優秀なリーダーとしての特徴です。影響力は、人を操ることとは全く異なり、真正かつ透明性のあるものです。そのためには、感情的な知性と信頼が必要です。効果的に影響力を発揮することがゲームチェンジャーになるという点については、こちらをご覧ください。
リーダーの影響力を高める4大ポイント|組織やチームとの信頼を築くコツをプロが紹介
8.共感力
共感は仕事の成果と関係しており、感情的知性とリーダーシップの有効性の重要な要素です。CCLの調査によると、直属の部下に対して、より包括的なリーダーシップと共感的な行動を示せば、上司から良い評価を受ける可能性が高まります。さらに、職場環境を改善するためにも共感は欠かせない要素です。
9.勇気
職場では、新しいアイデアを発言したり、直属の部下にフィードバックをしたり、目上の人に懸念を伝えたりといった、さまざまな種類の難しさを伴う業務があります。「勇気」が優秀なリーダーの重要な特徴である理由はそこにあります。問題を回避したり、対立を放置したりするのではなく、勇気を出すことで一歩踏み出して、物事を正しい方向に進めることができるようになるのです。心理的安全性が高く、コーチング文化が根付いている職場は、さらに真実と勇気に満ちた環境になるでしょう。
10.敬意
日頃から人に敬意を持って接することは、優秀なリーダーがもつ特徴の一つです。緊張や対立を和らげ、信頼を生み、効果を高めることができます。敬意とは、失礼がないということに限らず、さまざまな方法で示すことができます。職場で尊敬し合う環境を育む、また周りの人の味方になるためにはどうしたらよいかを考えてみましょう。
優秀なリーダーの特徴・条件を満たす人材を育成するためには
もし、自分には優秀なリーダーの特徴がないのではないかと心配しているのであれば、慌てる必要はありません。CCL は過去の膨大なリサーチを基に、リーダーシップは開発可能なスキルであり、経験、継続的な学習、そしてその応用によって形成されると述べています。
言い換えれば、成長することに前向きで、自己改善のための時間と努力を惜しまなければ、優秀なリーダーの特徴をそれぞれ強化することができるということです。
同様に組織は、人材育成や業務経験を通じて、社員が優秀なリーダーの特徴に磨きをかけるのを助けることが可能です。
また、リーダーシップは「社会的なプロセス」であることを認識することも重要です。リーダーシップとは、強力なカリスマ性を持った個人を指すのではなく、集団で協力して結果を出すことを意味するのです。優秀なリーダーとしての特徴をいくつか持っていたとしても、この点を理解していなければ、成果には結びつきません。たとえ人に好かれ、尊敬されたとしても、チームや組織の目標を達成するのは難しいでしょう。
加えて、リーダーシップはゴールではありません。組織のどのレベルに到達しても、キャリアを通じて定期的に開発し続けるべきものなのです。
そのため、CCLは「リーダーシップは過程である」と述べています。チーム、プロジェクト、状況、組織において、あなたはキャリアを通じて今回紹介した10個の特徴をさまざまな方法で発揮することが求められるでしょう。
弊社「株式会社インヴィニオ」は、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットしています。事業上の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させることを重視しています。
組織として優秀なリーダーの特徴を満たす人材を育成し、企業全体のレベルや成果を高めたいとお考えの場合は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人:インヴィニオ編集部