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リーダーの影響力を高める4大ポイント|組織やチームとの信頼を築くコツをプロが紹介
目次
リーダーに欠かせない「影響力」。部下に指示を与える場面でも、組織の上層部との交渉を行う場面でも影響力は非常に重要です。
ただ一方で、多くのリーダーが以下のような悩みを抱えています。
「リーダーとしての影響力に不安を感じている」
「強硬に主張することでしか、影響力を行使できていない」
「チームリーダーを任せた部下に影響力を持たせたい」
そこで今回は、リーダー育成分野の権威であるCCL(Center for Creative Leadership)が40年にわたる膨大かつ綿密なリサーチをもとに特定した「リーダーの影響力を高める4大ポイント」を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
リーダーに必須の「影響力」
リーダーにとって影響力は必須です。どのような事業環境や組織の状況に置かれても、人を動かして成果を出していくためには、自らの影響力を強化・維持しなくてはなりません。
「他者に影響を与える」ことは、「コアリーダーシップスキル」の重要な1つとして定義されています。
必須とされるコアリーダーシップについては、以下の記事をご覧ください。
リーダーシップスキルとは?必須スキル4つを人材開発のプロが紹介
「誰もたった一人で物事を成し遂げることはできません。リーダーは他者に影響を与えて動かし、一人ではできない大きなことを現実にするのです。影響力が無ければ、他者は皆さんがリーダーとして描いているビジョンや理想を理解することができず、理想の実現のために行動に移すこともできないのです。」と私たちのプログラムLead4Success®(日本では弊社インヴィニオがパートナーとして提供)の主な貢献者であるジョージ・ハレンベックは述べています。
「他の人に影響を与える“影響力”を向上させなければ、仕事や生活の中で本当に重要なことを達成することはできません。」
効果的なリーダーはただ命令するだけではありません。彼らは刺激し、説得し、そして励まします。リーダーは、グループの知識とスキルを活用し、個人を共通の目標に向け、結果を達成するためのコミットメントを引き出すのです。
リーダーの影響力を高める4大ポイント
それでは成果を出すリーダーはどのように影響力を発揮しているのでしょうか。リーダー育成分野の権威であるCCL(Center for Creative Leadership)は膨大なリサーチに基づいて、下記4つのポイントを明らかにしています。
1.組織感覚を身につける
2.チームプロモーションを行う
3.信頼関係を構築する
4.ネットワークを活用する
以下では、それぞれのポイントを具体的に解説します。
1.組織感覚を身につける
組織感覚(Organizational Intelligence)とは、組織において明確には定義されていない構造や慣習・しきたりのことです。”暗黙のルール”と表現するとイメージしやすいでしょう。
すべての組織には、組織図に示されている公式(フォーマル)な構造と必ずしも組織図には表れていない非公式(インフォーマル)の構造という2つがあります。これは組織感覚、または組織“人”感覚とも言われるもので、成果を出すリーダーは公式・非公式の組織の両方を理解しています。
組織の非公式な側面、特に社内政治に精通していることは、考え方であると同時にスキルセットでもあります。知識豊富なリーダーは、組織内の政治的な側面を「避けて通れない部分」と見なし、リーダーとして組織として、出すべき成果に向けて前進するために建設的かつ倫理的に使いこなします。そこには必要以上の”忖度”は存在しません。
例えば、組織感覚を持ったリーダーは次のような行動を意図的・戦略的に取っています。
・自らや組織の成果実現のために必要な人物と結びつき、味方を増やすネットワーキング活動
・利害関係者を巻き込むための綿密な計画と精査
・言語情報だけではなく非言語情報へも細心の注意を払い、他者の反応を注意深く見極めて、共通の利益を見出す
・部をわきまえて(むやみに出しゃばらず)、重要な関係者に良い印象を残すコミュニケーション活動
社内政治については、以下もぜひ参考にしてください。
社内政治とは?負けた!を楽しい!に変える6つのスキルと行動をプロが紹介
成果を出すリーダーは、組織の中での出来事をバランス良く理解しています。「組織を動かす・人を動かす」ということは論理的な側面だけではなく、感情的な側面の理解とマネジメントを伴う事を知っているのです。
チームや重要な取組みを前進させるためには、物事を成し遂げる方法をバランスよく理解し、ときには組織の政治を使いこなすことも大切です。
2.チームプロモーションを行う
チームプロモーション(Team Promotion)とは、自らが所属するチームを主に組織内に対してアピールすることです。
アピールと聞くと「目立ちたがり屋」の印象を受けるかもしれません。確かにしばしば自慢または利己主義として受け取られるケースもあります。
しかし、影響力のあるリーダーは、自らのチームが取り組んでいること、出している成果について適切に組織内に宣伝することを怠りません。「自分たちの活動の意図的な見える化」を行い、自分たちの「正しさ」を組織内に売り込むことで、チームやリーダー自身の活動に余計な疑いがかるのを回避できるだけでなく、チーム外からも協力者を得て変革や成長に向けた取り組みを加速できることを知っているからです。
セルフプロモーションについては、以下もぜひ参考にしてください。
セルフプロモーションとは?職場での重要性と例をプロが解説
プロモーション活動にはいろいろな方法がありますが、今回は2つ紹介します。
一つは何か重要な取組みを始める時、最初から多くの人を巻き込むやり方です。個人として、チームとして何に取り組もうとしているのかを説明して透明性を高め、その取組みにできるだけ多くの人が参加するように促します。
もう一つは、主要なマイルストーンで「お披露目」をするやり方です。重要な取組みの細部までを公開せずとも、組織の人々は重要なマイルストーンにおける成果や意思決定を知ることができます。この点は意外と忘れられがちです。リーダー個人やチーム内で温めているアイディアを最後までオープンにしなかった結果、最終段階になって思わぬ抵抗にあうというケースが後を絶ちません。
謙虚でいることのみが美徳とされるわけではありません。成果を出すリーダーは、組織全体にとって良い結果をもたらす重要な取組みを促進しながら、自分だけでなくチームのプレゼンス(存在感・存在価値の)も向上させるのです。
自分自身とチームの活動や結果を組織の中で見える形にし、変革や成長の機運を高めていきましょう。
3.信頼関係を構築する
自らのチームや組織との信頼関係の構築(Trust-Building)は、リーダーとしての影響力を発揮するためにも重要です。
信頼の構築については、以下もぜひ参考にしてください。
変化と混乱の時代においてリーダーシップへの信頼が問われる理由
信頼がなくても、リーダーは自分の職務権限を使うことで従わせることができるかもしれません。しかしこの方法ではチームや巻き込むべき組織の人々からの自律的なコミットメント、能力、創造性や協調性を引き出すことは不可能でしょう。
皆が必要としているのは、強権的なリーダーではなく、自分たちの弱さや脆さをも理解し、やる気を掻き立て、理解し、支援し、迫り来る混乱の中を導いてくれるリーダーです。
多様性のある人々を導くためには、リーダーが取るアクションも多様でなければなりません。もちろん全員と心の底から理解し合うことは困難ですが、成果を出すリーダーは適切なタイミングで適切なアクションを取り、他者との信頼関係を築いているのです。
例えば変革に向けた取組みを推進する過程では、チームが協力し合うための雰囲気づくりが大切です。ただ、予測不能な困難の中で、革新的なアイディアを出して前進するためには、あえて人々の認知的・感情的な対立を促して、創造性を高めることも必要になります。
効果的に影響力を発揮するリーダーは、意図的に対立を起こすと同時に共感を示し、タイムリーにフィードバックを提供するなどの行動を通じて、人々の間の絆を強固にしていくのです。
4.ネットワークを活用する
ネットワークの活用(Leveraging Networks)とは、社内外に人的ネットワークを作って他者とつながり、前進するための知恵や勇気を得ることです。
影響力を効果的に使っているリーダーは、全てが自分主導で行われるわけではないことを理解しており、社内外にネットワークを創り維持・発達させています。
変化スピードがますます加速する昨今の事業環境において、イノベーションを自社内のみで完結することは難しくなっています。これはオープンイノベーションの発達からも明らかです。
成果を出すリーダーは常に社内外のネットワークに目を向けて、組織の目的に寄与する個人や集団へのタイムリーなアクセスを可能にしているのです。
ネットワークの視点については、以下もぜひ参考にしてください。
成功するリーダーの組織図を超えたネットワークとコミュニケーション
リーダーの影響力を行使する際の注意点
ここまでにご紹介した影響力を高めるための4つのポイントは非常に重要です。それと同等に重要なものは影響力を行使する「目的」と、場面やタイミングなどの「文脈」です。
成果を出すリーダーは、紹介した4つポイントを習得・発揮しています。同時に、行使する際には倫理観と誠実さをもって、相手の頭脳や心、五感に訴えるタイミングを慎重に選択しています。
影響力をさらに使いこなすためには、以下の記事もご覧ください。
影響力を使いこなす方法|組織や人を動かす3つの観点を人材開発のプロが解説
影響力を行使する目的は、他人を操作することではありません。他人に影響を与え、行動を促し、目的を達成して喜びを分かち合うことにあります。そのために倫理観や誠実さは影響力と切っても切れない関係にあるのです。
リーダーとしての影響力を高めるためには
リーダーに欠かせない「影響力」を高める4大ポイントを紹介しました。リーダーとしての影響力の重要性と、影響力を高めるためには何が必要かをご理解いただけましたら幸いです。
ただ、リーダーとしての影響力は一朝一夕で身に付くものではありません。たとえ影響力を発揮しているリーダーであっても、「影響力の身につけ方」を次世代のリーダーへ体系立てて教えることは困難でしょう。こうしたケースでは、人材開発の専門家に任せることがオススメです。
弊社「株式会社インヴィニオ」は、潜在的な「能力」のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットします。事業上の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させます。
もちろん「リーダーとしての影響力」についても同様です。
リーダー育成に関してお困りごと・ご相談などございましたら、こちらからお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人:インヴィニオ編集部