戦略的方向性とは、組織を目的や目標、ビジョンに近づけるために設計された具体的な方針を示しています。目指す姿に向けて、効率的かつ効果的にリソースを投じるためには、戦略的方向性が不可欠です。

例えば、皆さんの組織は以下のことを満たしているでしょうか。

• 戦略が目的と目標を伝えており、ビジョンをサポートし、短期的および長期的な優先事項の見通しを立てるのに役立っている
• 戦略が顧客およびステークホルダーに望ましい影響を与えている
• 戦略が組織全体へ協調性と努力をもたらしている
• 戦略に情報を与える外部環境の変化を追跡している

1つでも不安な要素がある場合は、本記事で紹介するデニソンモデルの構成要素「戦略的方向性と意図」について理解することで、組織内の連携強化や成長にお役立てください。

そもそもデニソンモデルとは

デニソンモデルとは、「利益成長、売上成長、顧客満足度、イノベーション、従業員エンゲージメント、リスク・安全性、品質」など重要な業績指標に影響を及ぼす組織文化の要素を特定して体系的にまとめたモデルです。各従業員へのアンケート調査を基にして、自社の現状と重要課題を明確に把握できます。

デニソンモデルは、デニソンコンサルティングが開発した「デニソン組織文化診断」の主幹をなす分析モデルであり、コカコーラ、レノボ、NASA、BPなどをはじめ、世界中の企業が組織文化における課題をクリアしてきました。

デニソンモデルおよびデニソン組織文化診断は、ダニエル・R・デニソン博士とウィリアム・S.ニールによる25年以上にわたる研究と実践に基づいています。

なおデニソンモデルは以下の通り、適応性や一貫性など4つの特性、さらに変革やカスタマーフォーカスなど12の要素に分かれています。

今回取り上げる「戦略的方向性と意図」は「方向性」を構成する要素の1つです。

「デニソン組織文化診断」の詳細はこちらをご覧ください。
デニソン組織文化診断とは｜特長や活用する目的を紹介 – 株式会社インヴィニオ 

「デニソンモデルの詳細」はこちらをご覧ください。
デニソンモデルとは？業績向上につながる組織文化診断のしくみ – 株式会社インヴィニオ

戦略的方向性とは

戦略的方向性とは、組織を目的や目標、ビジョンに近づけるために設計された具体的な方針を示しています。優先事項を設定し、組織内のリソースを集中させ、運営を強化し、各メンバーが共通の優先事項に向かって働いていることを確認するために用いられます。

戦略的方向性の重要性

戦略的方向性の重要性を以下にまとめます。

目的の明確化と統一

戦略的方向性を設定することで、組織全体で共有される目的や目標、ビジョンが明確になります。これにより、メンバーは同じ方向を見据え、継続性のある活動が進みます。

リーダーシップの指針

戦略的方向性はリーダーシップを発揮するための指針となります。戦略が示されることで、組織内の各リーダーは判断や指示を行いやすくなります。

リソースの最適化

方向性を持った戦略に基づいてビジネス活動を展開することで、リソースの最適化を図れます。限られたリソースを最も重要な領域に集中させ、効率的な運用を期待できます。

競争優位の確立

戦略的方向性が正しく設定されれば、組織は市場での競争において優位な立場を築くことができます。独自性や差別化が強調されることで、競合他社との差別化が図られます。

市場への変化の適応性

変化の激しいビジネス環境において、戦略的方向性が変化への適応性を高めます。市場変化に応じた戦略立案および調整によって柔軟かつ戦略的なアクションが可能となります。

ステークホルダーからの期待への対応

戦略的方向性はステークホルダー（株主、顧客、従業員など）からの期待に応えるための方針を明確にします。組織としての洞察性を高め、より良い関係構築につなげるでしょう。

戦略的方向性を設定する際のポイント4つ

戦略的方向性を設定する際のポイントを、4つ紹介します。

• 次の1〜3年間で組織の焦点となる主要な命題と、それらを選択した根拠を明確にする。
• 組織が行わないこととその理由を明確にする。
• 目的やビジョンと具体的な業務をリンクさせる。
• 自社が属する市場の動向や顧客ニーズに基づいて戦略を調整する。

ビジネスで勝つための戦略的方向性を示す

自社が属する市場におけるビジネスで勝利を収めるためには、先のポイントを踏まえて戦略的方向性を明確に示す必要があります。

冒頭でも紹介したデニソンモデルは、「戦略的方向性と意図」を含む12要素の評価スコアが1000社以上の企業と比較してどのレベルにあるのかが一目で分かります。目的と目標の立て方や取り組み方のレベルを相対的かつ客観的に測定できるのです。

さらに、自社の組織文化レベルを把握できるだけでなく、優先して取り組むべき課題や盲点、底上げが必要なスキルなどを客観的かつ定量的に明らかにできます。

つまり、デニソンモデルを用いた「デニソン組織文化診断」は単なる組織評価ではなく、実績につながる組織文化診断です。診断を通じて企業が求める成果につながるからこそ、コカコーラやNASAのような世界的大企業にも採用されているのです。

そして弊社インヴィニオは、20年以上積み重ねてきた確かな実績と、デニソンをはじめ世界中のアライアンスパートナーから得た最先端のツールやノウハウを用いて、分析や学びのレベルに留まらせず「実績や実力」へと昇華させることにコミットします。

単なる組織評価ではなく、業績向上につながる組織文化診断を行いたい場合はもちろん、「方向性は定めているものの戦略的とは言い難い」「目的や目標、ビジョン、戦略がリンクしていない」「そもそも当社に組織文化診断は必要なのか」といったご相談など、こちらから気軽にお問い合わせください。

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