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自律性2:エンパワーメント|権限委譲による組織の活性化|デニソンモデルの構成要素を紹介
目次
エンパワーメントとは「力を与えること」であり、ビジネスにおいては「権限移譲」「能力・自信・自律性などの強化」を指します。各従業員が、責任とやりがいをもって業務に当たるためには欠かせない要素といえます。
例えば、皆さんの組織は以下のことを満たしているでしょうか。
- 各従業員の自律的な判断・行動を可能にする明確な価値観が共有されている
- 戦略や目標が明確であり、意思決定と活動を迅速かつスムーズに実行できる
- 各従業員は、自信を持って行動するために必要な権限と能力を持っている
1つでも不安な要素がある場合は、本記事で紹介するデニソンモデルの構成要素「エンパワーメント」について理解することで、各従業員の成長ひいては組織全体の成果向上にお役立てください。
そもそもデニソンモデルとは
デニソンモデルとは、「利益成長、売上成長、顧客満足度、イノベーション、従業員エンゲージメント、リスク・安全性、品質」など重要な業績指標に影響を及ぼす組織文化の要素を特定して体系的にまとめたモデルです。各従業員へのアンケート調査を基にして、自社の現状と重要課題を明確に把握できます。
デニソンモデルは、デニソンコンサルティングが開発した「デニソン組織文化診断」の主幹をなす分析モデルであり、コカコーラ、レノボ、NASA、BPなどをはじめ、世界中の企業が組織文化における課題をクリアしてきました。
デニソンモデルおよびデニソン組織文化診断は、ダニエル・R・デニソン博士とウィリアム・S.ニールによる25年以上にわたる研究と実践に基づいています。
なおデニソンモデルは以下の通り、適応性や一貫性など4つの特性、さらに変革やカスタマーフォーカスなど12の要素に分かれています。
今回取り上げる「エンパワーメント」は「自律性」を構成する要素の1つです。
「デニソン組織文化診断」の詳細はこちらをご覧ください。
デニソン組織文化診断とは|特長や活用する目的を紹介 – 株式会社インヴィニオ
「デニソンモデルの詳細」はこちらをご覧ください。
デニソンモデルとは?業績向上につながる組織文化診断のしくみ – 株式会社インヴィニオ
エンパワーメントとは
エンパワーメント(empowerment)とは、もともとは「力を与えること」であり、ビジネスにおいては「権限移譲」「能力・自信・自律性などの強化」を指します。各メンバーが、組織内で適切な権限を与えられ、自信と自律性をもって能力を発揮できる状態を目指すこととも表せます。
例えば、従業員に権限を移譲して判断できる範囲を増やしたり、能力・自信・自律性などを強化したりすることを「エンパワーメントを行う」「エンパワーメントを高める」といいます。
エンパワーメントの重要性
エンパワーメントを行うことで権限を得た従業員は、明確な目標、戦略、価値観の範囲内で業務を自らコントロールできるようになります。これは、所有感・責任感を作り出すのに役立ちます。「仕事の自分ごと化が促進される」と表現することもできるでしょう。
そのためにリーダーは、従業員との信頼関係を構築しつつ、以下の領域を明確に示すことが求められます。
- 従業員が決定を下すことができる領域
- 従業員が意見を持つことができる領域
- 従業員の責任範囲を超える領域
エンパワーメントによる「マイクロマネジメント」からの脱却
マイクロマネジメントとは、各リーダーがメンバーを細かく管理し、詳細な部分にまで干渉するマネジメントのことです。つい進捗が心配になって、必要以上に細かな指示をしてしまったり、事あるごとに口出しをしてしまったりするリーダーも多いのではないでしょうか。
ただ、マイクロマネジメントは、以下のような弊害を引き起こしがちです。
■マイクロマネジメントがもたらす弊害
- 上司から指示された業務(言われたこと)をこなせば良いと考えてしまう
- 「何のために」という目的意識が欠如してしまう
- 業務へのモチベーションが低下してしまう
- 優先順位を自分で決められない
- 状況に応じた柔軟な対応ができない
こうした弊害を避けるためにもエンパワーメントを行うことで、自律的に判断・行動を実行できるメンバーを増やしていく必要があるのです。
エンパワーメントを効果的に行うためのポイント5つ
「エンパワーメント」を効果的に行うためのポイントを5つ紹介します。
- 各個人が目標を達成することを妨げている障壁を特定し、それを排除または軽減する
- 全従業員が「目標達成・能力開発・価値観の実践」に関する評価を受けられる体制を構築する
- 可能な限り最も現場に近い階層で意思決定を行えるよう努める
- 自社のビジョン・価値観・戦略・目的・目標と一致する決定を全階層の個人が行えるように権限の範囲を明確にする
- 従業員と各リーダーやマネージャーの間で、果たすべき役割・期待されている働き、それらに対する評価と報酬に関する透明な議論を行う
エンパワーメントで従業員の自律性とモチベーションを高める
エンパワーメントは、従業員の自律性とモチベーションを高めるためには不可欠です。すべての従業員が自社のビジョンや価値観、目的を理解し、現場レベルでそれらに基づく判断・行動を取ることができれば、事業スピードや顧客からの評価は向上します。
そのためにまずは、現状における自社のエンパワーメントレベルを把握することが必要です。冒頭でも紹介したデニソンモデルは、「エンパワーメント」を含む12要素の評価スコアが1000社以上の企業と比較してどのレベルにあるのかが一目で分かります。
さらに、自社の組織文化レベルを把握できるだけでなく、優先して取り組むべき課題や盲点、底上げが必要なスキルなどを客観的かつ定量的に明らかにできます。
つまり、デニソンモデルを用いた「デニソン組織文化診断」は単なる組織評価ではなく、実績につながる組織文化診断です。診断を通じて企業が求める成果につながるからこそ、コカコーラやNASAのような世界的大企業にも採用されているのです。
そして弊社インヴィニオは、20年以上積み重ねてきた確かな実績と、デニソンをはじめ世界中のアライアンスパートナーから得た最先端のツールやノウハウを用いて、分析や学びのレベルに留まらせず「実績や実力」へと昇華させることにコミットします。
単なる組織評価ではなく、業績向上につながる組織文化診断を行いたい場合はもちろん、
「各従業員が自ら考えて動けるようになって欲しい」「全従業員が自社の価値観を体現できるようにしたい」「そもそも当社に組織文化診断は必要なのか」といったご相談など、こちらから気軽にお問い合わせください。