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リーダーシップの具体例|良い・悪いをチェックできる96項目を特別公開
目次
市場やテクノロジー、働き方などあらゆる変化が著しい現代において、組織内の「リーダーシップ」のレベルが高いか低いかは、組織の安定的かつ持続的な成長の可否を左右します。そのため、自社におけるリーダーシップレベルをチェック・診断し、改善を図る動きが広がっています。
ただ一方で、「リーダーシップが重要なのは理解できるが、具体的にイメージしにくい」「リーダーシップの良い例や悪い例を具体的に知りたい」という方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、リーダーシップの具体例96項目を紹介します。
なお、各項目はすべて「デニソン・リーダーシップ開発調査」で実際に用いられているものです。デニソン・リーダーシップ開発調査は、その実用性の高さから、世界中の企業で活用されるリーダーシップ開発手法のグローバルスタンダードです。
世界的な開発手法が示す「成果につながるリーダーシップの具体例」「自社のリーダーシップレベルをチェックする指標」として、ぜひ参考にしてください。
リーダーシップの具体例96項目
リーダーシップの具体例について「計96項目」を紹介します。いずれの項目も当てはまるほど「良い状態」といえます。つまり「できていない」「むしろ逆のことが生じている」と感じる項目が多いほど「悪い状態」といえます。
「自律性」を示すリーダーシップ24項目
自律性は、一言で表すと「従業員が一体感を持ちつつ、自発的に行動できているか?」を示しており、3つの要素(8項目ずつ)で構成されます。具体的には以下の計24項目で測ります。
人材を強化する(エンパワーメント)
- 物事の決定は、なるべく現場に近い階層で行われるのが良いと思っている
- 情報共有することにより、 誰もが必要とする情報を得られるようにしている
- 誰もが自分自身の努力により状況を好転させることができると感じられるような環境作りをしている
- 計画の立案や決定を行う際に, それらに関係するメンバー全員を関与させている
- 仕事を行うために,、必要なリソースが確実に使えるようにしている
- 仕事を行ううえでのメンバーの能力に信頼を示している
- 周囲の人々が責任感を持って仕事をすることを奨励している
- 業務を効果的に遂行できるよう、周囲に権限を委譲している
チーム志向を構築する
組織で成果をあげるため、課題を乗り越えるためには、チームワークが欠かせません。組織内でチームワークを発揮できているでしょうか。
- 業務を遂行するための効果的なチームを作っている
- 誰とでも効果的にチームワークをとることを奨励している
- どのようにしてチームとして問題解決に取り組むべきか心得ている
- どのようなときにチームとして問題解決に取り組むべきか心得ている
- チームの中で, 協力し合って仕事を行うように働きかけている
- チームで仕事に取り組めるように, 業務をどのように設計すれば良いかを心得ている
- 共に働く人々の貢献を重んじている
- チームとしての功績を認め、共に喜んでいる
組織能力を開発する
- 会社の競争力の源泉として、人材の能力を高めている
- 人材の多様性をどのように活用すれば良いかを心得ている
- 他者の能力開発のためにコーチングを行っている
- 他者との関わり合いにおいて、多様性の問題に注意深く対応している
- メンバーの現実的な能力開発プランをサポートし、その実現のための機会を与えている
- 優れたパフォーマンスへの動機づけのために、報酬や表彰を活用している
- メンバーの昇進を考え、彼らを育成している
- 組織として常に豊富な人材層を保てるよう、人材の能力開発を行っている
「一貫性」を示すリーダーシップ24項目
一貫性は、一言で表すと「組織能力を発揮・強化できるような価値観、システム、プロセスが整備されているか?」を示しており、3つの要素(8項目ずつ)で構成されます。具体的には以下の計24項目で測ります。
価値観を定義する
- 周囲に支持されないことがあっても、「正しいこと」を行う
- 日頃から自分で言ったことを自ら実践している(言行一致)
- 自らの行動の判断基準となる行動規範を持っている
- 組織の文化、価値観および倫理観を明確にしようとしている
- 他者との関わりにおいて, メンバーが組織の価値観に沿って行動できるよう支援している
- 約束と責任を果たしている
- 周囲の人々の信用および信頼を得ている
- 譲ることの出来ない確固たる信念をはっきりと述べている
合意に達するために取り組む
組織が同じ方向に向けて前進するためには、合意形成が不可欠です。スムーズな合意形成を図れているでしょうか。
- 困難な問題であっても、周囲が合意形成できるよう支援している
- 意見の相違に直面しても、全員にとってメリットのある代替案を見出すよう努力している
- 組織内の人々が、主要課題について効果的に合意できるよう支援している
- 物事の決定に際し、様々な視点での考えを取り入れている
- 意見の対立する者同士であっても、建設的な話し合いを奨励している
- 合意に達するために、必要ならば妥協することもいとわない
- 意見の違いがあった場合でも、お互いにwin-winとなる解決策を目指して努力する
- 相手の考え方を確認したり理解を深めながら、意見の相違点を調整する
調整と統合を管理する(組織的協業)
組織内外や部門・部署を問わず、業務を推進させるために必要な連携を効果的かつ効率的にとれているでしょうか。
- 職務分野を横断し、全体のゴール共有に向け努力している
- 組織の垣根を越えた調整を行っている
- 業務を進めるために非公式なネットワークを駆使している
- 他の組織や様々な階層のキーパーソンと良好な関係を築いている
- 組織横断的なプロジェクトにおいて, 連携を行いやすい環境作りをしている
- 業務に漏れがないよう常に確認している
- 他組織とのやりとりを通じて, 自分たちの考えに対し支援を得ている
- 組織間の効果的なコミュニケーションを促進する仕組み作りをしている
「適応性」を示すリーダーシップ24項目
適応性は、一言で表すと「市場や外部環境に適応できてているか?」を示しており、3つの要素(8項目ずつ)で構成されます。具体的には以下の計24項目で測ります。
変革
変化の激しい現代において、組織は常に変革を求められています。既存のやり方に固執せず、より良い方法や新たな方向性を追求できているでしょうか。
- 常に新たなより良い仕事の進め方を探求している
- クリエイティブに考えることを奨励している
- 従来のやり方に固執せず, 常により良いやり方を試している
- 自分の職務範囲を超えた変革をやり遂げる
- 非生産的な、組織の慣習に対して異を唱える
- 問題が発生する前にそれを予見している
- 変革の事例として他組織からも参考にされている
- 革新的なアイデアや問題解決策を考え出している
カスタマーフォーカスを強調する
組織が最優先で重視すべきは「顧客」であることは間違いないでしょう。目の前の業務のみにとらわれることなく、顧客を常に意識し、顧客の声を受け止め、製品やサービスへ反映できているでしょうか。
- 顧客と直接話をすることを奨励している
- 顧客からのフィードバックに対し, 迅速かつ効果的に対応している
- メンバーが顧客の要望とニーズを深く理解できるようにしている
- 顧客からのフィードバック(意見や提案)をうまく活用し、組織の慣習を変えることに役立てている
- 顧客からのフィードバックを積極的に求めている
- 継続的に顧客へのサービスを良くしようとしている
- 顧客の意見を早い段階から計画に取り入れている
- 顧客のニーズに対して迅速に対応することの必要性を認識している
組織学習を促進する
成功だけでなく失敗や批判なども真摯に受け止めて、組織全体としての学習や改善へと転化できているでしょうか。
- 失敗や誤りに対して建設的に取り組む
- 失敗を、学習と改善の機会として捉えている
- 学習が重要な目的の一つであると感じられるような職場環境を作り出している
- 自己防衛的にならずに、批判を率直に受け入れる
- 物事が不明瞭であったり、不確実な状態でもうまく対処する
- 競合相手の強みと弱みを知っている
- 業界のベストプラクティスを学ぶようメンバーに奨励している
- メンバーが物事の全体像を掴めるよう支援している
「方向性」を示すリーダーシップ24項目
方向性は、一言で表すと「組織の方向性を理解・浸透できているか?」を示しており、3つの要素(8項目ずつ)で構成されます。具体的には以下の計24項目で測ります。
戦略的方向性と意図を定義する
自社が目指すべき目標に対して、具体的な戦略や戦術が明確に示され、日々の業務で実践できるレベルまで落とし込めているでしょうか。
- メンバーに対し、仕事の意義や方向性がわかりやすい明確なミッションを与えている
- 戦略を、明確なゴール、目標および実行計画に落とし込んでいる
- 一時しのぎの解決策ではなく、中長期的な戦略を意識している
- 戦略上の優先順位に沿った形で効果的にリソースを配分している
- 組織の持続的競争力を考え、戦略や戦術を明確にするよう努めている
- 自組織の将来に向けた明確な戦略を持っている
- 長期的な戦略の視点を損なうことなく、短期目的にも対応している
- 事業戦略について、明確で説得力のある根拠を伝えている
ゴールと目標を定義する
各メンバーは、組織として「何のために・何を目指しているか」を理解・納得した上で、その達成にむけて日々の業務に取り組めているでしょうか。
- 大胆ではあるが、現実味のある目標を明確に設定している
- ゴールや目標の達成について、 個々のメンバーやチームに責任を持たせている
- メンバーに対し、業務上の指示や優先順位を明らかにしている
- 業務上のパフォーマンスについて, 高い水準を設定している
- メンバーを目標設定のプロセスに関与させ、ゴールや目標の理解・共有を促している
- 立てられた目標についての進捗状況を確認している
- 効果的に組織のゴールと目標を伝えている
- ビジョンと戦略に、個々のゴールと目標を紐づけている
共有ビジョンを作成する
各メンバーは、組織のビジョンについて正確に理解し、共通の指針やモチベーションの源泉として、常に意識・活用できているでしょうか。
- 組織の将来像を示す共通のビジョンを形作ることに貢献している
- 組織のビジョンについて、メンバーと話し合っている
- メンバーのモチベーションや意欲を高めるためにビジョンを活用している
- 長期的なビジョンを損なうことなく、短期目標を実現している
- 日々の業務と長期的なビジョンのつながりを意識できるよう業務を設計している
- 個々人の活動の指針となるレベルまで、ビジョンを具体化している
- 将来のビジョンを示してメンバーを鼓舞している
- 合意とコミットメントを引き出しながら他者を巻き込んでいる
リーダーシップレベル向上の鍵は「根拠を示せるか」
現状に危機感や改善の余地を感じて「リーダーシップのレベルを高めたい」と多くの企業が考えています。
ただ一方で、「リーダーシップ」という重要にも関わらず捉えがたい要素によって、「何を根拠に改革を推進すればよいか分からない」「各リーダーの理解や納得を上手く得られそうにない」「一時的・表面的な取り組みで終わるのではないか」といった不安により、実行に移せない企業も多いのが実状です。
リーダーシップレベルを堅実に向上させるための鍵は「根拠を示せるか」です。「なぜ自社においてリーダーシップの改善や改革が必要なのか」「なぜこうした取り組みを実践すべきなのか」などを客観的に示せる根拠が、不可欠なのです。こうした共有できる根拠があって初めて、各リーダーは必要性や納得感をもって取り組めます。
そこで有効なのが、次の項目で紹介する「デニソン・リーダーシップ開発調査」です。
デニソン・リーダーシップ開発調査(DLDS)とは
デニソン・リーダーシップ開発調査(DLDS:Denison Leadership Development Survey)とは、業績に影響を与える12要素のスコアを対象者ごとに評価するツールです。
DLDSの目的は、対象者のリーダーシップ能力を向上させ、組織内での影響力を高めることにあります。そのために、対象者のリーダーシップにおける強みと弱み(課題・改善点)を浮彫りにするのです。
DLDSの結果は、4つの特性である「方向性」「一貫性」「自立性」「適応性」で示されます。各特性はさらに3つずつの要素に分かれており、下図の通り、計12要素で構成されています。
またDLDSは、対象者本人に加えて上司・同僚など共に働く人々による回答を基にスコアを算出します。いわゆる360度評価です。
さらに各スコアは、各国他社の調査対象者と比較して算出されたものです。各特性における色の多少によって、各スコアの高低を客観的かつ数値的に把握できます。
■デニソン・リーダーシップ開発調査(DLDS)の全体像:
デニソン・リーダーシップ開発調査(DLDS)の基本情報はこちらをご覧ください。
デニソン・リーダーシップ開発調査とは?世界水準のリーダー育成に向けて – 株式会社インヴィニオ (invenio.jp)
まとめ
リーダーシップの具体例として、リーダーシップ開発手法のグローバルスタンダードである「デニソン・リーダーシップ開発調査」で実際に用いられる96項目を紹介しました。「成果を出せるリーダーシップの具体例」「自社のリーダーシップレベルをチェックする指標」として、参考になったのではないでしょうか。
リーダーシップの改善ひいては改革を成功に導く鍵は「明確な根拠」および「組織内で共有できる指標」です。
評価スコアを1,000社以上の企業と比較して分析するデニソン・リーダーシップ開発調査であれば、明確な根拠を示した上で改革を推進することができます。さらに各調査項目への回答は30分程で完了するため、リーダーシップレベルを高めるきっかけを手軽に得られる点もメリットといえます。
そして弊社インヴィニオは、20年以上積み重ねてきた確かな実績と、デニソンをはじめ世界中のアライアンスパートナーから得た最先端のツールやノウハウを用いて、分析や学びのレベルに留まらせず「実績や実力」へと昇華させることにコミットします。
単なるリーダーシップレベルの調査ではなく、業績向上につながるリーダーシップの開発を行いたい場合はもちろん、「調査後の具体的な改善策もあわせて相談したい」「そもそも当社にリーダーシップの改善が必要なのか迷っている」といった場合も、ぜひ気軽にお問い合わせください。