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社外取締役からみる日本企業の人材主導経営への取り組み課題と提言
目次
今回は経営人事を大きなテーマとして企業人事の実務経験、社外取締役経験、そして経営学者でもある中川様をゲストにお招きして、変化の時代における人と組織の課題について切り込んでいきます。
人事に限らず、事業を率いるリーダーであれば誰もが直面する人と組織の課題について取り上げていきます。
■ゲスト:中川 有紀子 氏 立教大学 大学院ビジネスデザイン研究科 特任教授
※詳細の経歴については動画内にてご紹介しておりますのでご覧ください。
日本企業が直面する課題~経営戦略と人事戦略の不整合
・解決すべき人事課題は経営課題と整合性(アライン)が取れているかどうか?
・経路依存性が生み出す前例主義が強いのが日本企業の特徴
・個々人の限定合理性に基づく判断が企業の総和としては不整合を生み出す
・経営計画を考えるとき、わが社にその計画を実行できる、検証できる人財はいるのか?
・経営戦略を達成するための人材がいるかの議論がなおざりなまま、実行されてしまう現実
・経営戦略を達成するためにどのような人材が必要なのかという定義を話し合うべき
・定義に合致する人材がいるのか?そこをどう埋めていくのかが、組織のケイパビリティをあげていく鍵
・新規事業を起こしていくにあたり、現有人材が同じスキル・能力で達成できるのか?
・クリティカル2%の人材が企業の命運を握る
等、経済学の理論を交えて現在の日本企業の課題を紐解いていきます。
人事戦略、組織戦略策定不備の根本原因
・日本企業では経営戦略を達成するための人材の要件定義ができていない
・欧米系の企業などでは新しい戦略を打ち出した場合、それができる人材を採用してくるが一方で日本企業ではそこまで流動性が高くないため難しい
・現有人材を変えていくことでそれがCEOの武器になる
・人材を変容させることが重要=リスキル
・リスキルで変革を遂げた歴史ある巨大企業の事例
等、社外取締役の視点から、現在の日本企業の課題を紐解いていきます。
ISO30414~投資家の期待にどう応える?人と組織の情報開示
社外取締役の立場から見てCEOの関心事はどこにあるのか?上場企業であれば時価総額向上ということが機関投資家にアピールするのでそこに対する関心は高いのは当然のこととして、中川様は、今後人的資本情報の開示も義務付けるべきではないかと考えていらっしゃいます。アメリカではそれが義務付けられつつあり、当然の流れとして日本でもそれが義務付けられていくのではないか、それも数年のうちに、待ったなしに起こるだろうというのが中川様の見立てです。その背景にあるものは、ISO30414の制定、SDGsの流れです。参考になるのはドイツ銀行のレポートです。どのような点が優れているのか?機関投資家に対する戦略を検討されている方にも是非ご覧いただきたいです。
「人材主導の会社」創りに取締役会、経営陣が貢献できること
人材にかかる費用はコストではなく投資という考えにシフトすべきではないかと中川様は主張されています。ビジネスは人材が起点であり、新規事業を起こすのも海外市場を開拓するのも人ありきで、そこにいる人材が大きなビジネスをとってきたり、失敗したりする。失敗しても次につながれば投資に対するリターン(ROI)があったと考えられるが、それを財務諸表上に表すのが難しいので、HRレポートなどでそのようなアピールを投資家に対して行っていくべきではないかと語ります。