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サステナビリティを実践できる企業の特徴|組織文化の形成が重要
目次
サステナビリティとは「持続可能性」を意味しており、環境・社会・経済それぞれのバランスを保ちながら、地球上のあらゆるものが安定的に存続できる状態を示した概念です。
昨今、サステナビリティの実現には環境・社会・経済に対して大きな影響力を持つ「企業」の取り組みが不可欠であるとされています。今後はサステナビリティを実践できているか否かで、顧客をはじめステークホルダーからの評価や自社の存続そのものが左右されることを、耳にしたことがあるのではないでしょうか。
その一方で「自社でサステナビリティを実践したいが何から始めるべきか分からない」「とにかく環境に良い取り組みをすれば良いのではないのか?」といった考えを抱くケースも少なくありません。
確かにサステナビリティの実現・実践のためには、環境保全に対する施策など具体的な取り組みも大切です。ただ、同様に「組織文化の形成」も不可欠なのです。
そこで今回はサステナビリティについて、企業が実践する重要性、サステナビリティを実践できる企業の特徴を紹介します。
なおここで紹介する各項目は、50か国以上・8,000社以上もの業績や組織パフォーマンスの向上を支援してきた米国企業「デニソンコンサルティング」が開発した「サステナビリティ文化診断」に用いられているものですので、ぜひ参考にしてください。
サステナビリティとは
サステナビリティとは、環境・社会・経済それぞれのバランスを保ちながら、地球上のあらゆるものが安定的に存続できる状態を示した概念です。日本語で表すと「持続可能性」と表現されます。
経済的発展に偏ったり、環境保全に偏ったりせずに、人類を含む動植物が将来に渡って共存できる世界を築くことを目指します。
サステナビリティを企業が実践する必要性
サステナビリティを企業が実践する必要性について解説します。
昨今、世界とそこで活動する企業の役割は変わりつつあります。社会的な目的の有無や企業の持続可能性は、世界経済フォーラムなどあらゆる議場での最重要課題となっています。今後は、差し迫った社会問題や環境問題をビジネスを通じて解決する企業こそが成功する企業といえるでしょう。
社会的責任や社会貢献活動を口先で唱えてPRするだけでは、もはや十分とは言えないのです。実践するためには、企業の目的、価値観、目標、戦略、能力、報酬、インセンティブを全面的に変革しなければならない可能性があります。
つまりは、社会的責任や社会貢献活動を実践しつつ、企業としての成果も上げ続けなければ、これからの世界で持続的に存在するのは困難ということです。
企業に必要なサステナビリティを表す「House」モデル
前項目で示した企業に求められる変化を理解しやすくするために、デニソンコンサルティングは、Transformational Sustainability(変革をもたらすサステナビリティ)の「House」という概念を考案しました(図1参照)。
この概念は、環境と社会がビジネス戦略に与える影響に関する研究における第一人者であるスチュアート・ハート博士とのパートナーシップにより作成されました。
図1:「House」モデル/Transformational Sustainability(変革をもたらすサステナビリティ)
「House」は、「目的」「熱意と探求」「目標と評価指標」「報酬とインセンティブ」「価値観」の5つの柱を用いて、サステナビリティ(持続可能性)の文化を定義しています。将来あるべき組織文化の姿を表しています。それぞれの柱(要素)が成り立ってこそ、サステナビリティを実践できる企業といえるのです。
冒頭で紹介したデニソンコンサルティングが開発した「サステナビリティ文化診断」は、経営幹部から一般従業員に至るまで、社内の人がサステナビリティを自社の中核的な目的やフォーカスとしてどの程度取り入れているかについて、簡単に把握するためのものです。
「あなたの組織のリーダーは、社会・環境問題の解決が会社の存在意義であるという文化をうまく作り出せているでしょうか。」
こうした評価を行った上で、 「House」モデルの中段に位置する「体制とガバナンス」「実験とイニシアティブ」「技術と能力」「パートナーとプラットフォーム」の4つの側面から、実際に展開されている戦略がサステナビリティのビジョンを実現するために機能するかを検証します。
つまり、サステナビリティを実践できる企業となるための第一ステップは、自社の基礎となる組織文化について診断することから始めるべきといえるのです。
サステナビリティを実践できる企業の特徴
サステナビリティを実践できる企業の特徴とは、具体的にどのようなものでなのでしょうか。ここでは、「サステナビリティ文化診断」で実際に用いられる項目で特徴を紹介していきます。
以下を、各社員に訪ねて当てはまる割合が多いほど、サステナビリティを実践できる企業といえるでしょう。
目的
「目的」を表す特徴は以下の通りです。
1.私たちの会社は、単に収益を上げるだけでなく、明確で説得力のある社会的な目的を持っています。
2.当社のリーダーは、すべてのステークホルダーに対して、一貫してサステナビリティ(持続可能性)の重要性を伝えています。
3.私たちの財務指標は、サステナビリティ(持続可能性)と世界に貢献する目標をサポートする役割を担っています。
熱意と探求
「熱意と探求」を表す特徴は以下の通りです。
4.私たちは、事業を通じて重要な社会問題や環境問題を解決しようとしています。
5.私たちの会社は、世界をより良い場所にするという私たちの願いを長期目標として掲げています。
6.当社は、世界に起こしたい具体的かつポジティブな変化を事業の中核とした上で、私たちの目的を設定しています。
目標と評価指標
「目標と評価指標」を表す特徴は以下の通りです。
7.当社は、世界に起こしたい具体的かつポジティブな変化を事業の中核とした上で、私たちのパーパス(目的)を設定しています。
8.世界のサステナビリティの課題に取り組むには、新しい指標が必要であり、現在の製品や技術に課題をもたらす可能性があります。
9.当社の目標や指標は、当社の企業目的、サステナビリティへの願望と直結しています。
報酬とインセンティブ
「熱意と探求」を表す特徴は以下の通りです。
7.当社は、世界に起こしたい具体的かつポジティブな変化を事業の中核とした上で、私たちのパーパス(目的)を設定しています。
8.世界のサステナビリティの課題に取り組むには、新しい指標が必要であり、現在の製品や技術に課題をもたらす可能性があります。
9.当社の目標や指標は、当社の企業目的、サステナビリティへの願望と直結しています。
価値観
「価値観」を表す特徴は以下の通りです。
13.当社を真に持続可能な企業にするために、誰もが変化を起こすことを期待されています。
14.当社のリーダーは、投資家や株主だけでなく、当社のすべてのステークホルダーが重要であることを明確にしています。
15.サステナビリティに積極的に貢献することが、私たちの会社の存在理由です。
サステナビリティを実践できる企業になるためには
サステナビリティを実践できる企業になるためには、まずは自社の組織文化レベルを把握することが先決です。とくに紹介した各特徴が当てはまらないと予想される場合は、まずはサステナビリティ文化診断の実施をおすすめします。
そこで有効なのが冒頭でも紹介した「サステナビリティ文化診断」です。この組織文化診断は、25年にわたり50か国以上・8,000社以上もの業績および組織パフォーマンスの向上を支援してきたデニソンコンサルティングにより開発されました。
デニソンコンサルティングが開発した組織文化診断は信頼性と効果の高さから、コカコーラやNASAをはじめとする多くの世界的大企業にも採用されています。「簡単に行える」上に「実践および実績に直結する調査結果を得られる」という点も多くの支持を得ている理由です。
また弊社インヴィニオは、デニソンコンサルティングの日本パートナーとして国内企業向けに「デニソン組織文化診断」を提供・実施しています。実績に裏づけられた組織文化診断を用いることで、把握や分析のレベルに留まらせるのではなく「実績向上」にコミットします。
「サステナビリティの実践をして環境や社会に貢献しつつ、自社も持続的に発展できる体制を整えたい」とお考えの場合は、以下から気軽にお問い合わせください。もちろん「サステナビリティを実践したいが、何から始めるべきか」といったご相談も歓迎です。