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EQ(心の知能指数)の高いリーダーシップでビジネス成果を高める

目次
EQ(心の知能指数)とは、自他者の感情を正しく知覚した上で上手くコントロールできる能力を評価する指標です。
ビジネス成果を高めるためにも、EQ(心の知能指数)を高めて自他者の感情を認識・理解・管理できるようになることが重要なのは、誰もが認識しているのではないでしょうか。
そこで今回はEQ(心の知能指数)について、定義など基本的な情報から、構成する4つの要素、ビジネスへの影響、心がけるべき行動やポイントなどを紹介します。
なお、本記事にて紹介する内容は、世界を代表するビジネス人材育成のプロであるCCL(Center for Creative Leadership)が、綿密なリサーチおよび支援実績を基に導き出したものですので、ぜひ参考にしてください。
EQ(心の知能指数)とは
EQ(心の知能指数)とは、自他者の感情を正しく知覚した上で上手くコントロールできる能力を評価する指標です。emotional intelligenceの頭文字を取ってEQと表記されています。
EQ(心の知能指数)を高めることで、共感的かつ協力的な対人関係を築くことができ、ビジネスの現場においても成果に結びつきやすくなります。
またEQ(心の知能指数)は、多くの研究者や心理学者によって発展してきましたが、提唱者として特に有名なのはダニエル・ゴールマン(Daniel Goleman)です。ゴールマンは1995年に著書「Emotional Intelligence」を出版し、EQについての理論を世界中へ広めました。
EQ(心の知能指数)を構成する4要素
EQ(心の知能指数)を構成する要素は以下の4つです。
- 自己認識
自分の感情や長所・短所を知り、それがパフォーマンスや人間関係に与える影響を認識する能力 - 自己管理
ポジティブな感情や強い欲求もネガティブな感情や強い欲求もコントロールし、状況に応じて柔軟に適応する能力 - 社会意識
他者への共感力、政治的対応力、積極的な人脈形成力 - 関係性の管理
説得的コミュニケーション、モチベーションの向上、絆の構築、個人間の対立の緩和などを通じて人を動かす力
ここで、皆さんが理想とする上司や先輩を思い浮かべてみてください。
彼らは、上記4つの要素を持ち合わせていたのではないでしょうか。リーダーシップがあり、親身でコミュニケーションの取り方も上手く、正当な評価を下すこともでき、皆さんの能力を最大限に引き出してくれているはずです。
EQ(心の知能指数)がビジネスへ及ぼす影響
EQ(心の知能指数)はビジネスの現場において、生産性だけでなくエンゲージメントにも影響を与えます。EQ(心の知能指数)がビジネスへ及ぼす影響をまとめると以下の5つとなります。
- 変化と不確実性
- 同僚との関係
- 確執と関係構築
- 努力と燃え尽き症候群
- 成就と失敗
CCLが実施した調査では、職場における共感性(心の知能指数と相関する要素)が、仕事のパフォーマンスも含めた自他者の感情と有意の関係があることが明らかとされています。
部下に対してより強い共感を示すリーダーは、組織から仕事のパフォーマンスが高いと評価されます。一方で愛着心のない社員は、組織にとってのお荷物となってしまう可能性があるのです。
EQ(心の知能指数)の高いリーダーが心がけるべき4つの行動
心の知能指数が高いリーダーを目指し、社員に対して今より親身になり、職場のエンゲージメントを高めるためには、以下の4つの行動を心がけましょう。
- 他者の視点で世界を見る
- 中立的な判断をする
- 相手の気持ちを理解することに務める
- 相手に気持ちを理解していることを伝える
EQ(心の知能指数)で重要なのは「感情」による影響
EQ(心の知能指数)で重要なのは「感情」による影響です。EQ(心の知能指数)の向上には、感情が及ぼす影響を理解しましょう。
感情は、私たちが発揮する努力の量や行動、心理的健康、そして心的状態に関与しています。感情によって、目の前の課題やチャンスに対してどう対処するか・対立を解決するために協力し合うか・他人を許すことができるかなどの決断を左右します。
自他者の行動が「ポジティブな感情」または「ネガティブな感情」を駆り立てるものであるかに関わらず、どちらも影響を及ぼすことを理解することが大切です。それぞれが具体的にどのような影響を与えるかは、以下の通りです。
ポジティブな感情が拡大・強化させること
- レジリエンス(回復力)
- 思考の改善
- ネガティブな感情の除去
- 新しいスキルの構築
- 心理的資本の創造
ネガティブな感情が狭める・弱体化させること
- 潜在的な脅威の察知
- 問題発生時の注意喚起
- 学習のメカニズム
自他の感情がポジティブ・ネガティブのどちらに振れているかで、上記のような傾向が表れることを理解しておきましょう。
とりわけ、ネガティブな感情は「ホットボタン」が押されたときに生まれがちです。ホットボタンとは、論争を始めるおよび相手を傷つける反応を生み出す苛立ちの要因を与える人や状況を指します。
このボタンが「ホット」なほど、強く否定的な感情、個人を挑発したくなる感情、無意識かつ衝動的な反応、そして緊張の高まりを経験する可能性が高くなります。
EQ(心の知能指数)の高いリーダーシップを発揮するポイント3つ
EQ(心の知能指数)の高いリーダーシップを発揮するためのポイントを紹介します。リーダーは、心の知能指数が高いと恩恵を受けることができます。以下3つのポイントを心がけることでEQ(心の知能指数)およびリーダーシップ能力を高めましょう。
社員を個人として大切にする
社員をサポートし、彼らの努力を認めようとする姿勢を示すことで、社員を個人として大切に思っていることを示しましょう。これにより、リーダーと社員の間に信頼関係が築かれます。
長い間、共感力は業績評価指標として見過ごされてきたソフトスキルでした。しかし、CCLの調査によると、今日成功しているEQ(心の知能指数)の高いリーダーは、個々人へ焦点を当て、チーム、部署、国、文化、背景の異なる人々とうまく働くことが明らかになっています。
社員のモチベーションの源泉を理解する
報酬や手当を付与することは重要ですが、社員の生産性とエンゲージメントを維持するためには、それだけでは足りません。
社員が何をもってやる気が高まるのかについては、彼らに質問を投げかけ、答えに耳を傾けることで理解しましょう。モチベーションの源泉を理解すれば、定着率を高め、仕事の満足度に影響を与え、不確実な状況を克服する手助けをすることができるのです。
相手の過去や経験を理解する
社員の社会的アイデンティティや、どのような経験を通じて視野が形成されたかなど、社員の過去を理解することは、批判的にならずに他者の視点で世界を見ようとする意欲の表れです。
社員の多様な経験を活用して成果を上げるならば、社員のさまざまな過去や経験を理解し、考慮することで、チームが潜在能力を最大限に発揮できるよう支援する必要があります。
たとえ高いEQ(心の知能指数)およびリーダーシップ能力を備えていても、すべての社員の心中を理解することは容易ではありません。他者の視点で世界を見ること、そして様々な視点を偏見なく受け入れることは難しいのです。
これらのスキルを向上させるためには、自己認識を高め、強力かつ積極的な傾聴スキルを身につけ、自分自身の感情のトリガーとなるものや弱点を学び、認識しようとする意欲が必要です。
リーダーの能力は、リーダーが自分自身をどれだけ理解しているか、他人が自分をどう見ているかを認識しているか、そしてその結果生じる相互作用をどのようにナビゲートするかによって、制約され、また増幅されます。
EQ(心の知能指数)の高いリーダーを育てビジネス成果を高めるには
EQ(心の知能指数)の高いリーダーを育てビジネス成果の向上までつなぐためには、本記事にて紹介した行動やポイントを各リーダーが理解し、実行に移せるようになる必要があります。
弊社「株式会社インヴィニオ」は人材育成のプロとして、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットします。事業の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させることを重視しています。
EQ(心の知能指数)をただ高めるだけではなく、成果の向上にまでつなげたいとお考えの方は、まずはこちらから気軽にお問い合わせください。