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【企業向け】アライシップとは?意味や役割をプロが解説
目次
アライシップとは、当事者以外がマイノリティや弱者を支援・擁護する行動のことです。アライは、アライシップを実践する人や考え方を指します。
組織におけるDE&I(多様性・公平性・包括性)が重視される昨今。
世界を代表する人材育成のプロフェッショナルであるCCL社(Center for Creative Leadership)は、アライシップに取り組む際にリーダーが果たすべき役割について、「Introspection Into Action」というウェビナーにおいて意見を発表しました。
そこで本記事では、アライシップに関する基本情報をまとめた上で、いかに実践すべきかについて、CCLが綿密なリサーチおよび支援実績を基に導き出した見解を基に解説します。
アライシップとは
アライシップ(Allyship)とは、当事者以外がマイノリティや弱者を支援・擁護する行動のことです。アライは、同語のアライ(ally:同盟・支援)が語源であり、アライシップを実践する人を指します。
なおCCLは、「アライシップとは何か」という哲学的な問いに答えることよりも、「どのようにアライとして行動するか」という実践的な問いに置き換えることに重点を置いています。
アライシップを実践して役割を果たすためにすべきこと
アライシップは単一の行動ではなく継続的な行動です。また、自らの影響力や活用できる特権・つながりについてよく理解する必要があります。また、アライシップを発揮しようとする対象について、深く学ぶことも大切です。
知識や意識の強固な基盤を構築することは、アライシップを流行語から、包括的な環境と多様なチームを生み出す持続可能な行動へと変えるための重要な一歩です。
アライシップの対象とするグループとの関係において、活用できる特権などを正確に認識できれば、その特権を活用してアライシップを発揮するために、より良い立場に立つことができるようになります。
アライシップの注意点
アライシップの注意点について解説します。
大々的に打ち出す必要はない
アライシップについてよくある誤解は、アライシップには大々的な公的行動や、信念や価値観を声高に宣言することが必要だというものです。意味のある支援行動をとらずに声高に宣言することは、単なるパフォーマンス的なアライシップに過ぎません。
真のアライシップはあらゆる対人関係の中で得られるものであり、個々の行動によって静かに発揮されることで、大きな力を発揮します。
間違いを過度に恐れず学びに変える
アライシップを継続していけば、何かしらの間違いは避けがたいでしょう。皆さんがアライシップのどの段階にいるかにかかわらず、アライシップの追求には多少の過ちや失敗は付き物という考えに慣れるべき時です。勇気と脆弱性、そして謙虚さが必要なのです。
アライシップの間違いは、どんなに善意を持っている人でも起こります。
不当な扱いを受けていると思う人のために発言したつもりが、後になって、その人が自分の発言を不快に思ったと知ることもあります。また、ある人の文化的アイデンティティを肯定的に褒めたつもりが、そのコメントが侮辱的と思われたことに気づくケースもあります。
私たちの意図と他者に与える影響はしばしば異なりますが、正しい行いをやめる必要はありません。リーダーは、どんなに難しい教訓であっても、失敗から学びます。マヤ・アンジェロウの言葉を借りれば、”そして、よくわかったら、もっとよくしよう。”です。
他者からのフィードバックを次に活かす
自分の言動が原因で、誰かに “罵倒 “されることがあるかもしれません。そんな時こそ、あきらめずに挑戦し続けることが大切です。そして、「もうダメだ」と落ち込まないようにしましょう。こうした努力は、プロセスの一部であり、私たちが学ぶために必要なことなのです。
そのフィードバックに同意するかどうかは別として、まずはフィードバックをくれた人の勇気を認識し、反省と成長の機会として活用することをお勧めします。誤解はつきものであり、後でフォローアップのための会話をする機会もあるかもしれません。もし、指摘されたことに対して、防御的になったり、否定的になったり、怒ったりすると、フィードバックをくれた人の気持ちを無視して自分自身の内にこもり、更なる失敗を招くことになります。
善意で行動する限り、どのようなフィードバックも次により良い影響を与えるための糧となるのです。
多様性・公平性・包括性を実践するために
「多様性・公平性・包括性」は、各組織においてかねてから重視されてきた要素です。しかし、こうした要素が十分に発揮された環境を、なかなか確立できない組織も多いのではないでしょうか。
多様なメンバーやチームが活躍している企業は、より革新的で弾力性があり、複雑な課題に対応できるようになることは、研究により繰り返し示されています。
またCCLは、REAL™というフレームワークを用いて、組織やリーダーが、公平性の向上、多様性の活性化、包括的なリーダーシップを通じて得られる適切な機会を明らかにし、理解することを支援しています。
「多様性・公平性・包括性」を実現するためのフレームワークについて詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください
DEI(ダイバーシティ・公平性・インクルージョン)を実現する方法 – 株式会社インヴィニオ (invenio.jp)
人種的公平性のためのアライシップはどのように行われるのでしょうか?
アメリカでは、同質性とは一般的に白人の多い組織を指しますが、他のアイデンティティグループにも及びます。そしてアライシップとは、他の同僚が公平性、多様性、包括性が必要なシステムをよりよく理解できるように、舞台裏で支援することなのです。たとえそれが困難であっても、あるいはそれを口にすることがリスクと感じられるときでさえもです。
例えば、以下のような働きかけを社内メンバーに対して行います。
- なぜ公平性が投資する価値のある組織価値なのかを理解できるようにする
- 多様な視点やアイデンティティがチームに素晴らしい価値をもたらす理由を、理解させる
- 他者がそもそもなぜ組織が均質なのかを検討し、それを変えるための適切な機会を特定することを促す
アライとしての役割は、多様性・公平性・包括性の対人的な側面を管理するだけでなく、実践が困難であっても、より大きな公平性を促進するために役立つことです。
組織の多様性・公平性・包括性を促進する「アライ」を育成するために
「アライシップとは何か」という問いに答えるには、その概念の定義や認識だけでなく、どうすれば行動に移せるかを見極める必要があります。個人の行動も重要ですが、本当の意味での変化を起こすには、組織が一丸とならなければなりません。
また弊社「株式会社インヴィニオ」では、20年以上積み重ねてきた実績と、CCLを含む世界中のアライアンスパートナーから得た最先端のノウハウを用いて、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットしています。
育成だけでなく事業上の成果として表れるように、個人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化できるのが強みです。
組織の多様性・公平性・包括性を促進する「アライ」を育てたいとお考えの場合は、ぜひこちらから気軽にお問い合わせください。