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ビジネスを成功に導くチーム規範の確立方法10ステップ
チーム規範とは、組織や部署、プロジェクトチームなどチーム内で期待される言動についてのルールやガイドラインを指します。
チームでビジネスを行う上で、暗黙のうちに従っているルールが存在します。シンプルな例を挙げると、「他者の発言をさえぎらない」「打合せは3分前には着席しておく」などです。
ただ、こうした暗黙のルールを守れているメンバーとそうでないメンバーが存在しており、両者間で目に見えない軋轢を生んでいるケースも散見されます。
そこで本記事では、「チーム規範の確立方法10ステップ」を紹介します。各メンバーで簡単なワークに取り組むことで、チームの連携や生産性を向上させることが可能です。
なお本記事の内容は、世界を代表するリーダー育成のプロであるCCL社(Center for Creative Leadership)が、綿密なリサーチおよび支援実績を基に導き出したものですので、ぜひ参考にしてください。
そもそもチーム規範とは
そもそもチーム規範とは、組織や部署、プロジェクトチームなどチーム内で期待される言動についてのルールやガイドラインを指します。チーム内で守って欲しいルールや推奨される言動などを示したものと表現できるでしょう。
例えば「打合せは3分前には着席しておく」「打合せ前に議題を共有しておく」「他者の発言をさえぎらない」「急ぎの案件はメールでなく電話で連絡をとる」など、チーム毎で内容は様々です。
チーム規範はリーダーの心強い助けとなる
チーム規範はリーダーの心強い助けとなります。
先述したような規範は、プロの環境では当然のこととして理解されているかもしれません。ただ、ビジネスにおけるチームでは、世代や役職、価値観などが異なるメンバーが連携・協力しながら業務にあたります。
チームとしての生産性を高めるために相応しくない言動をとるメンバーがいた際、リーダーが毎回のように忠告や指南をするのは困難です。
そこで、メンバーも同意したチーム規範を定めておけば、リーダーでなくとも各個人やメンバー同士での是正を図ることが可能となります。
チーム規範は、メンバー同士がより円滑に協力し合い、シナジーを生み出すために守るべきルールや言動を示します。チームの成果を生み出すために不可欠な「相互の信頼関係」を築くためのものでもあるのです。
チーム規範の確立方法10ステップ
チーム規範の確立方法を10ステップで紹介します。
本ステップはCCLがチーム開発プログラムで実際に用いている確立方法です。
前提として、チーム内の全メンバーで話し合うことをおすすめします。
ステップ1:あえて最悪のチームを思い出す
各メンバーに、これまで参加した最悪のチームを思い出してもらいます。どんなグループでも構いません。
例:職場のチーム、ボランティアグループ、スポーツチーム、学生時代の部活やサークルなど
ステップ2:最悪だった理由を書き出す
その経験がなぜそんなにひどかったのか、各チームメンバーに2分程度で書き留めてもらいます。理由についてできるだけ具体的になるよう指示してください。
ステップ3:最悪だったチームでの経験を共有する
一人ずつ順番に発表してもらい、各々の経験を全メンバーで共有します。
ステップ4:最高のチームを思い出す
各メンバーに、これまでの最高のチームの経験を思い出してもらいます。ネガティブな経験と同様に、各チームメンバーにその経験がなぜそんなに良かったのか2分間書き留めてもらいます。
ステップ5:最高だったチームでの経験を共有する
ステップ3と同様に一人ずつ順番に発表してもらい、各々の経験を全メンバーで共有します。
ステップ6:最悪と最高の違いを話し合う
ここまでに全員で共有した「最悪のチーム」と「最高のチーム」での経験談から、両者の違いにフォーカスして「良し悪しを分けるものは何か」を議論します。
ステップ7:具体的なチーム規範を提案してもらう
各メンバーに、現在のチームを成功に導くための具体的なチーム規範を提案してもらいます。この際、チームに求められている役割や責任に対して、より影響を与える問題や行動にフォーカスしてください。
なお、すべてのチームメンバーが閲覧できる大きなスクリーンやホワイトボードなどに提案を記録するようにしてください。
ステップ8:チーム規範を決定する
各提案について議論し、守るべきもの・守ることができるものを決定します。
また、確固とした解決策を特定できていなくても、規範として掲げておくことで解決の糸口を見つけるきっかけとなります。
例えば、CCLでは各社員とも常に忙しく活動しているため、5〜6人のメンバーをweb会議に集めるという単純なタスクにもしばしば苦労します。この際、「チームの会議に参加する」というチーム規範だけでは、問題を克服するのに役立ちません。
ただ、これを規範として掲げておくことで、「参加が叶わないならば、どこに問題・問題がありそうか」という視点を持つようになるのです。
ステップ9:違反時の対応を決定する
基準に従わないチームメンバーにどのように対応するかを議論します。
チームリーダーが監視や指摘を行うのではなく、違反があれば各メンバー同士が互いに指摘し合える状態を目指します。そのため、上司や部下などは関係なく、チーム規範に違反していれば気兼ねなく指摘し合う約束をこのステップで強く結んでおきましょう。
ステップ10:チーム規範を明確に共有する
すべてのチームメンバーが常に意識しやすいように共有しましょう。例えば、チームの共有フォルダ内やチャット内、掲示物にしてすぐに参照できるようにしても良いでしょう。
チーム規範はブラッシュアップすべき
チーム規範の設定は一度きりの活動ではありません。必要に応じて、あらためて全員でチーム規範を見直す機会を設けましょう。その際は、上手く機能している規範と上手く機能していない規範の分類、上手く機能していない規範の改善案についての議論を重視してください。
とくに新しいメンバーがチームに参加する際には、現行のチーム規範について共有し、彼らの意見も取得することも大切です。
チーム規範の確立でパフォーマンスの最大化を図る
チーム規範の設定は、チームの生産性や連携を向上させるために非常に有効な手段です。ただ一方で、チーム規範を明確化できず、毎回のようにリーダーが注意したり、メンバー同士に不和が生まれてしまったりといったケースも少なくありません。
ぜひ本記事で紹介した「チーム規範の確立方法10ステップ」を参考に、チームのパフォーマンス最大化を実現させましょう。
弊社「株式会社インヴィニオ」は、20年以上積み重ねてきた実績と、CCLを含む世界中のアライアンスパートナーから得た最先端のノウハウを用いて、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」や「業績」へと昇華させることにコミットしています。
「チームのパフォーマンスを最大化したい」とお考えの場合は、ぜひこちらから気軽にお問い合わせください。