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「キャリアが不安、スキルがない」は短期学習能力が原因?自己チェック付き
目次
「自らのキャリアが不安」
「この先を生き抜くためのスキルがないのではないか」
あなたも少なからずこうした悩みを抱くことがあるのではないでしょうか。
変化の激しい現代において、これまで培ってきた知識や経験がこの先も有効であるという保証はなくなってしまいました。知識・スキルが陳腐化するスピードがますます速くなるなかで、私たちはどのように今後のキャリアを築いていけばよいのでしょうか。
米国において育成分野の権威であるCCLによる40年にわたる綿密なリサーチの結果、長期にわたって成功を収め続けているリーダーは「短期学習能力(Learning Agility)」という特性をもっていることが明らかとなりました。
短期学習能力を理解・習得・発揮している人を「短期学習者(Agile Learner)」と呼びます。彼らは何十年もの間、仕事を通じて成長し続けながら成果を収めているのです。
そこで、今回はキャリアやスキルの不安を解消し、変化の激しい現代を生き抜くための鍵を握る「短期学習能力」および「短期学習者」について紹介します。自らの短期学習能力をチェックできるリストも公開していますので、ぜひ最後までご覧ください。
短期学習能力(Learning Agility)とは
短期学習能力(Learning Agility)とは、あらゆる体験を学びに変える姿勢をもち、得た教訓を蓄積して必要な場面で直ぐに引き出して活用する能力です。
成功に限らず失敗からも学ぶ姿勢をもち、学びのために洞察に富んだ質問を行い、他者からのフィードバックを受け入れ次に活かすことで、ラーニングサイクルを素早く回します。その結果、新たなスキルの早期習得や、獲得した学びを活かした対応が可能となるのです。
短期学習者(Agile Learner)とは
短期学習者(Agile Learner)とは、一言でいえば短期学習能力を理解・習得・発揮している人です。ただこの定義ではイメージを掴みにくいため、ここでは短期学習者がもつ特徴や特有の考え方(マインドセット)について紹介します。
短期学習者の特徴
短期学習能力をマスターし、持続的に成果やキャリアをつくり続けている人には以下のような共通項があります。
(1) 現状に満足せず常に挑戦を続けており、イノベーターとして注目され、頼りにされています。探求心が旺盛です。彼らは前進し、探求し、質問し、知識と洞察を追い続けます。
(2) 彼らは挑戦によって元気づけられます。困難によって心が折れてしまうことがありません。どんなに難題に見えても彼らは落ち着いて集中し、障害を乗り越えていきます。
(3) 彼らは非常に柔軟であり、臨機応変にやり方を変えていきます。あるやり方がうまくいかない場合、別のやり方を試すのです。
(4) 彼らはすぐに行動に移すことを得意としていますが、いつその行動を止めるべきかも冷静に見極めます。
(5) 彼らは経験の教訓を目の前の課題解決に活かせるか否か、直感的に結び付けて考えます。
(6) 過去の経験を引き出すだけでなく、彼らは最先端の知識に触れることを怠らず、新しい経験を求めてさまざまな課題に取り組むことを好みます。
(7) 行動に移すことが得意とはいえ、彼らは無謀ではありません。自分ひとりの能力には限界があることも十分に理解しつつ、未知の課題に立ち向かうことを恐れません。
(8) 彼らは“やりながら学びます”。休むことなく、自己批判的で、常に努力し、自分自身に挑戦し、学び続けることで前進し続けます。
(9)彼らは今の人間関係を維持すると言ったことにはそれほど興味はなく、現状に挑戦することを恐れません。
もちろん、このような特徴を備えた人物であっても必ず成功するとは限りません。実際、短期学習者は失敗することも多くあります。しかし彼らは失敗から目を背けることなく、失敗経験からも学ぼうとします。だからこそ同じ失敗を繰り返す確率が低くなるのです。
短期学習者は優れたリーダーとなる
短期学習能力が高く、持続性のあるキャリアを持つ可能性が最も高い人は、会社や特定分野においてスターとして位置づけられています。
彼らは同僚よりも優れた業績を上げ、より短期間に昇進します。彼らは新しい情報をより迅速に学習し、多様な状況でさまざまな人々と効果的に対話するのに十分な汎用性を備えています。多くの点で、短期学習者であることとポテンシャルの高いリーダーであることは同義なのです。(優れたリーダーは優れた学習者であると言われるのはこのためでしょう)
あなたが短期学習者である場合、上司や組織の人々はあなたがリーダーとして「適切な資格」を持ち、潜在能力の高い人材であると理解するようになります。
その結果としてリーダーシップとキャリアアップに必要な挑戦課題や成長機会が与えられるのです。
短期学習者であるためのマインドセット
では、短期学習者は一体どのような考え方(マインドセット)をもっているのでしょうか。
あなたは新しい考え方に心を開いていますか?
これまでと違うやり方を学び、実践するときに難しさ、もどかしさを感じますか?
あなたは新たなスキルを継続的に学びたいと思っていますか?
米国において育成分野の権威であるCCLは対象者に上記のような質問をした結果、短期学習者は下記の5つのマインドセットを兼ね備えていることが分かりました。
1.革新する:現状に挑戦することを恐れない
2.演技する:困難に直面しても冷静さを保っているようにふるまうことができる
3.内省する:じっくりと時間をかけて自分の経験を振り返る
4.リスクを取る:意図的に困難な状況に身を置く
5.客観視する:新たな学びを得ることに積極的であり、逆境に直面したときに過去の経験だけを頼りにしないよう自制する
短期学習能力チェックリスト
それでは、今の自分の短期学習能力はどれほどか。チェックリストで確認してみましょう。
左右どちらが多く当てはまるか考えてみてください。
✓現状に挑戦し、より良いものを目指している ✓新しいアイデアを積極的に試して、問題に対するベストな解決策を見つけようとしている |
✓できる限り手持ちのアイデアで目標を達成しようとしている ✓簡単に実行できるソリューションを選択して、次の課題に進んでいる |
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✓問題をよりよく理解するために、細部まで十分に検討している ✓経験したことのない困難な状況やストレスの多い状況に直面しても平静を保てる |
✓細部にこだわることなく、直感を信じて解決策を出している ✓ストレスをエネルギー源として物事を早く終わらせている |
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✓自分自身の経験を批判的に内省する時間を設けている ✓経験から教訓を引き出すために失敗にも向き合っている |
✓多くのタスクをこなすことを目的に次から次へと手を着けている ✓振り返るための十分な時間を取らず、失敗から目を背けている |
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✓何をすれば良いのか明確に定義されていないチャレンジングな役割に挑戦している ✓困難を乗り越えることを楽しんでいる |
✓成功確率が高いものにだけ取り組んでいる ✓慣れ親しんだものにだけ囲まれている |
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✓成功だけではなく失敗にも目を向けている ✓必要に応じて、他者からのフィードバックを得ている |
✓成功によりかかって、失敗から目をそらし、言い訳を考えていない ✓他者からのフィードバックは求めない |
短期学習能力が高い人材を育てるためには
短期学習者は経験から学ぶことをいとわず、学びを応用して別の困難にも対処可能です。さらに自らの経験のみに囚われることなく、新たな情報を積極的に取り入れ、他者と効果的に協調して成果を出す方法を見つけます。そのため、通常ならば対処に苦労するような未曾有の事態にも、機知に富んだ解決策を考え出すことができるのです。
こうした人材は、どの企業も求めているはずです。リーダーを任せる人材を考える場合は尚更ではないでしょうか。
ただ、短期学習者としてのポテンシャルをもっていたとしても、必要な概念やマインドセットを理解していない状態では、短期学習能力を向上・発揮させるのは困難です。
弊社「株式会社インヴィニオ」は、潜在的な「能力」のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットします。事業上の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させます。
人材育成に関してお困りごと・ご相談などございましたら、こちらからお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人:インヴィニオ編集部