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職場の信頼関係を築くための3大要素|必ず抑えるべき基本をプロが解説
目次
職場の信頼関係を築くためには、欠かせない3大要素があります。いずれの要素も頭では重要性を理解しているつもりでも、日々の慌ただしい業務や複雑な対人関係のなかで気づけば疎かになりがちです。
また職場の信頼関係は個人間の関係性に留まらず、チームの成果ひいては組織の成果にまでも影響を及ぼします。そのため、重要なテーマとして捉えているリーダーも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、職場で信頼関係を築くための3大要素について解説します。さらに職場の信頼関係を崩壊させるきっかけとなる「問題」への対処法も紹介します。
なお本内容は、リーダー育成分野の権威かつ専門機関であるCCL(Center for Creative Leadership)およびパートナーであるミシェル・レイナ博士とデニス・レイナ博士が、何十年にもわたる調査と研究に基づいて明らかにしたものですので、ぜひ参考にしてください。
職場の信頼関係で起こりがちな問題
職場の信頼関係における問題は、どの組織でも少なからず生じています。
大きな亀裂や明らかな対立といった分かりやすいものばかりではありません。誰もが一緒に働くチームの誰かに対して、ちょっとした不安や不満を持つ経験をしたことがあるのではないでしょうか。
例えば、あなたが担当する仕事の一部を部下に任せたいと考えた時に、「ちゃんとやってくれるか不安だ」、「仕事を頼むことで、嫌がられたり、人間関係に悪影響が出たりしないだろうか」といった気持ちが芽生え、戸惑ってしまうことがあります。
普段であれば素直で良い部下かもしれませんが「自分の仕事を任せられるか?」という問題となるとまた別の話です。あなたは重要な仕事の一部を、部下を信頼してスムーズに任せることができるでしょうか?
「この人に仕事を任せたくない、任せるには不十分だ」という気持ちの根本的な原因は、まさしく信頼の欠如です。
他の例として「任せた業務の進捗が芳しくない、このまま任せていて大丈夫か不安だ」「当人のパフォーマンスやモチベーションが下がっているように見受けられるが、何と声をかけるべきか」といった悩ましい状況も起こりがちです。
相手が個人であれ、チーム全体であれ、リーダーシップを効果的に発揮するためには、信頼を築き、維持する方法を知ることが重要です。そのために先ずは「職場の信頼関係」という漠然とした概念を、次で紹介する3つの要素に分けて理解する必要があります。
職場の信頼関係を築くための3大要素
職場の信頼関係を築くための3大要素について紹介します。リーダー育成分野の専門機関CCLのパートナーであるミシェル・レイナ博士とデニス・レイナ博士は、何十年にもわたり職場での信頼関係を研究した結果、以下3つの要素を中心に信頼関係が「構築」されたり、反対に「崩壊」したりすることを発見しました。
- 仲間への信頼
- コミュニケーションの活発さ
- 能力の承認
信頼構築に必要なこれら3つの要素は、職場で信頼関係を築き、維持するためにどのような行動が必要かをチームが理解するための一助となります。以下でそれぞれを解説します。
1. 仲間への信頼
仲間を信頼することで、チームワークの基調と方向性が整います。相互に示される信頼感は、お互いが相手のために行動するという意思を表すもので、チームの関係を構築するための出発点となります。チーム内に仲間を信頼する気持ちがあれば、各メンバーが期待通りに行動してくれるという信頼を持てるのです。
「チームのメンバーがお互いを思いやり、仲間の最善の利益とは何かを念頭に置いて行動する」これこそチームが効果的に機能するために必要な信頼の基礎となります。各メンバーは互いを思いやる行動を積み重ねて、チーム内で信頼関係を築き上げていくでしょう。
2. コミュニケーションの活発さ
活発にコミュニケーションをとることで、協力体制が強化されてメンバー同士が安心して対話できるようになります。これは単に情報を共有するだけでなく、問題や懸念を解決し、より成長しようという精神で互いにフィードバックを提供することにつながります。
さらに、コミュニケーションを促進すればチームは透明性を獲得し、オープンで正直な意思疎通ができるようになります。そうすることで、メンバーは安心して自分の間違いを認められるようになり、さらに相手の考え方を知ることも可能です。活発なコミュニケーションは、チームが成功するために必要な環境の基礎となるのです。
3. 能力の承認
能力を認めることは、メンバーそれぞれが自らの知識を活かして組織への貢献や変化をもたらす第一歩となります。メンバー同士が互いのスキルや能力を活用し、意見を求め、意思決定に関与し、新しいスキルを教え合うことで、チーム内に信頼関係が構築されます。
さらに能力を認め合うことでイノベーションの文化が生まれ、チームや組織の競争力を高めることにもつながるのです。
職場の信頼関係を崩壊させる「問題」への対処法
職場の信頼関係の崩壊は、小さな「問題」をきっかけに始まります。はじめは業務やプロジェクト上で生じたちょっとした違和感やすれ違いであることが多いでしょう。
職場の信頼関係を築き良好な状態で保つためには、この僅かな問題を見逃さず、いかに初期段階で対処できるかが重要なのです。
問題を様々な側面から理解できれば、チームメンバーや同僚と率直に話し合いやすくなります。生産的な方法で会話を始めるための具体的なフレーズを3つ紹介します。
「気になることがあるので、話したいのですが」
「プロジェクトでのあなたの仕事について話してもいいですか」
「プロジェクトの進捗状況を一緒に確認してもらえませんか」
こうした寄り添う姿勢を感じ取れる一言をきっかけに、問題は解決へと一気に進み始めるのです。
従業員の「問題行動」に対しては、その従業員を真摯にサポートする姿勢を見せることが重要です。次に、その従業員と、より経験豊富なスタッフとペアを組ませたりなど、問題をどう解決するかについて話し合います。最後に、説明責任を果たせるようなかたちで、効果的に仕事を任せる方法を確立させましょう。
問題社員に対する対処方法については、こちらの記事もご確認ください。
問題社員を指導する10のポイント|放置や解雇以外の対処をプロが解説
信頼関係について正直かつオープンに話し合うことで、チームのパフォーマンスについてより深く、生産的な話し合いができるようになります。その結果として、強い信頼関係が生まれるでしょう。
職場の信頼関係を安定して築くためには
職場の信頼関係を安定して築くためには、その「要」となる各リーダーのコミュニケーションやフィードバックのスキル向上が特に重要です。
弊社「株式会社インヴィニオ」は、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットしています。事業の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させることを重視しています。
また、今回ご紹介したような最先端の知見や、各企業様が求める成果を上げるために有効な人財開発、組織開発のノウハウを、世界中の教育機関やコンサルティング会社とアライアンスを組んで導入しています。
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