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短期学習能力を高める|変化の時代に必要なリーダーの能力開発

目次
短期学習能力の向上は、変化の時代を生きるリーダーに必要な能力開発です。
変化の時代といわれる現代。新しいビジネス戦略への適応、異文化への対応、バーチャルチームへの対応、新しい仕事への挑戦など、リーダーはこれまで以上に未経験の状況へ素早く対応・適応しなければなりません。
そのため、自らが関わる「職場、ビジネスモデル、テクノロジー、産業」などあらゆる面で変化が生じるなか、キャリアを通じて学び続ける意欲と能力が欠かせないのです。
そこで今回は、変化の時代を生きるすべてのリーダーに必要な短期学習能力を高める方法を紹介します。本内容は、リーダー育成分野の権威かつ専門機関であるCCL(Center for Creative Leadership)が40年にわたる綿密なリサーチをもとに導き出した方法のため、ぜひ参考にしてください。
短期学習能力とは
そもそも短期学習能力とは、あらゆる体験を学びに変える姿勢をもち、体験から得た教訓を蓄積して必要な場面で直ぐに活用する能力です。
成功・失敗のどちらからも学ぶ姿勢や、他者からの指摘を素直に受け入れて次に活かす姿勢などをもって学習のサイクルを素早く回します。その結果、スキルの早期習得や、スキル・経験を活かした柔軟かつ素早い対応が可能となるのです。
変化の時代を生きるリーダーが「短期学習能力」を開発すべき理由
変化の時代を生きるリーダーが「短期学習能力」を開発すべき理由は、今後ますます不確実性の高い状況に対応・適応すべき場面が増えるためです。
VUCAという言葉に象徴されるように、私たちは今後「Volatility(変動性)・Uncertainty・(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)」に満ちた、将来の予測ができない環境で成果を挙げ続けることが求められます。
こうした状況でリーダーが問われるのは、「誰も何をすべきか分からない状況下で、次の行動を判断すること」です。
変化の時代に生じる「未曾有の事態、前例や事例がないこと」に対してあなたは即座に対応・適応して部下やメンバーに指示を出せるでしょうか。上司に次の方針を示せるでしょうか。
そこで必要となるのが「短期学習能力」です。
何十年にもわたるCCLの調査・研究によると、短期学習能力はリーダーとしての成功に影響を与えます。
短期学習能力とは、「何をしたら良いか明確な答えが無い場合であっても、何をすべきかを判断できる能力」といえます。経験から学び、それを新しい方法で応用し、新しい状況や機会で実践するのです。
短期学習能力を高めるのに、早すぎる(あるいは遅すぎる)ことはありません。ぜひ変化の時代で活躍するリーダーになるべく、自らの短期学習能力を開発しましょう。
現時点の短期学習能力を知りたい方は、こちらの記事にある「短期学習能力チェックリスト」をご確認ください。
「キャリアが不安、スキルがない」は短期学習能力が原因?自己チェック付き
短期学習能力を高める4つの方法
短期学習能力を高める4つの方法を紹介します。
CCLの研究によると、短期学習能力が非常に高い人はこれらの4つの方法を実践し、何度も優れた結果を出しています。「優れたリーダーは優れた学習者である」といわれるのはこのためです。
短期学習能力を高めれば、経験を最大限に生かすことができます。物事を理解するための習慣を身につければ、新しい困難な状況を乗り切る方法が改善され、組織への貢献度も高まります。経験から学び、時代の変化に対応するために、短期学習能力を身につける4つの方法をぜひ実践してください。
1. 挑戦と追求
「新たな経験」を積極的に積みましょう。記憶に残る経験は、あなたのリーダーシップやマネジメントの方法に影響を与えます。スキルが高まり視野が広がる状況に身を置き、挑戦を繰り返しましょう。具体的には、以下の通りです。
- 慣れないことへの挑戦を受け入れる
新しい学習機会があるにも関わらず、自分の居心地のよい環境に留まらないようにしましょう。苦労や挫折を避けられたとしても、成長やパフォーマンスの向上は見込めません。現状に安住していては、新しい経験の力を得られないのです。
- ときには恐怖を感じるような新しい挑戦をする
無謀な挑戦ではなく、「意義はあるが、失敗しても個人的に重大な影響が出ないようなこと」を見つけてください。その際に重要なのは、自分がやっていることを他の人に話し、助けやサポートを求めることです。不安を乗り越えた挑戦が、自らにとって欠かせないスキルをもたらしてくれる可能性があります。
- 最初に見つけた解決策にとらわれない
私たちは最初に思いついた解決策を選択しがちであり、長期的に見て最適な道であるかを検証しません。
新たなアプローチを試すことで、時間やエネルギーを節約できる方法を発見したり、新しい学びを得たりできる可能性があります。
明らかなことや簡単なことだけでなく、別の視点も取り入れましょう。別の角度から問題を理解する方法を見つけましょう。
あなたがデータを重視する人であれば、実際に行動を起こして洞察を得たりするのもおすすめです。直面した問題に対しては、一見信頼できそうな解決策があったとしても、あえて新しい解決策を考え出すことにチャレンジしてください。
- 新しいアイデアを追求することを習慣にする
伝統にとらわれないようにしましょう。課題に直面したら、以下の2つを自問自答してみましょう。
「なぜ新しいことや今までと違うことへの挑戦をためらっているのか?」
「ためらいがなければ、この状況にどう対処するか?」
2. 理解力を磨く
複雑かつ曖昧で展開の早い今日の状況下では時間の余裕はなく、即座に行動を起こさなければなりません。つまり、自らが直面している課題を理解するために、積極的なアプローチをとる必要があるのです。目の前の状況に好奇心を持ち、「なぜ?」「どうやって?」「なぜダメなのか?」を常に問うようにしてみましょう。
- 相手の話を理解するために耳を傾け、相手の話が終わったときにそれに対してレスポンスできると信じましょう。
参考:アクティブリスニングとは?コーチングに不可欠なスキルのトレーニング法
- リーダーシップを発揮する場面でストレスに直面したときは、何が本当に必要なのか、一歩立ち止まって考えてみましょう。
- 複数のテクニックを使い、さまざまな感覚を働かせ、感情を駆使して、ひとつの経験から「理解・洞察・意味」を引き出しましょう。理解力を高めることは、高いポテンシャルを持つリーダーにとって、必要不可欠なスキルです。
3. 経験と教訓を自分のものにする
このプロセスは、得られた洞察や教訓を消化して、別の機会で応用できるようにするために欠かせません。「学び」を消化できなければ、次のステップに進むための重要な手がかりを見過ごしてしまう可能性があります。必要に応じて周りの人に頼ってみてはいかがでしょうか。新しい経験や学びの機会を提供してくれる人との関係を築くことは、短期学習能力の向上に有効です。
- フィードバックを求め、批判を受け入れる
オープンで正直なフィードバックをくれる人を見つけましょう。フィードバックは、誰かがあなたに与えてくれた贈り物だと考えてください。不快に思うこともあるかもしれませんが、そこにも価値があります。相手がフィードバックを与えようとしている動機が何であれ、フィードバックには常に何かを学ぶ機会があるのです。
- 守りに入らない
自分の行動を説明したり、言い訳をしたりしたくなる気持ちを堪えましょう。自己防衛のモードに入り、今あるものを守ろうとすると、可能性に対して自分を閉ざしてしまいます。弁護しないためには、常に相手に感謝するようにしましょう。また、フィードバックを注意深く検討することで、時間の経過とともに自らのパターンが見えてきます。
- 一人で、あるいは他の人と一緒に振り返る
「学び」は単に起こったことを振り返るだけではなく、「なぜそのようになったのかを考える時間をとること」で得られます。原因や背景の振り返りを行うことで、直感的な理解が深まり、今後の参考にすることができます。
目まぐるしい日常から一呼吸置いて、プロジェクトや交流、新しい経験から何を学んでいるのかを考えてみましょう。上手くいっていることやつまづいていることを話し合ったり、すでに起こったことを報告したりします。行動を起こした後にレビューを行い、関係する人と共に以下のようなことを振り返ってみましょう。
「何が起こったのか?」
「なぜそのようになったのか?」
「将来成功するためには、何を止める・始める・続けるべきか?」
「その経験によって、知識、スキルレベル、態度、行動、価値観などにどのような変化があったか?」
4.適応して実践する
これまでの経験から、あなたはさまざまなことを学んできたはずです。そこで得た教訓を応用し、新しい困難な状況を乗り切れるようになりましょう。
- 直感を大切にする
原理原則や経験則に集中しましょう。短期学習能力が高い人は、感覚と柔軟性に基づいて行動しています。新しいことに直面したとき、その状況と自分が過去に経験・行動したことの類似点を探してみてください。その類似点に基づき、新しい課題に対処しましょう。
- 考えすぎない
プレッシャーがかかると「早く終わらせたい」と考えがちです。皮肉なことに、意識的にアイデアや解決策を探していると、他人の知恵や自分自身の経験に疎くなってしまいます。インスピレーションは無意識のうちに得られることが多く、それを受け入れることで新しいアイデアが生まれ、パフォーマンスが向上します。新しい領域に踏み込む際には柔軟性のあるリーダーとなり、躊躇せずにトライしましょう。
変化の時代で成果を出せるリーダーを育成するために
組織として、変化の時代で成果を出せるリーダーを育成するためには、短期学習能力を開発することが重要です。
ただ、短期学習能力の開発をはじめリーダー育成に必要なノウハウや体制を十分にもっている企業は、決して多く無いのが実状です。
弊社「株式会社インヴィニオ」では、20年以上積み重ねてきた確かな実績と、CCLを含む世界中のアライアンスパートナーから得た最先端のノウハウを用いて、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットしています。
リーダーの「育成」だけでなく事業上の成果として表れるように、個人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化できるのが強みです。
変化の時代においても安定した成果を挙げ続けるレジリエンスの高いリーダーを育成したいとお考えの場合は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人:インヴィニオ編集部