leadership-insight
リーダーシップインサイト
- ホーム
- リーダーシップインサイト
- 問題社員を指導する10のポイント|放置や解雇以外の対処をプロが解説
問題社員を指導する10のポイント|放置や解雇以外の対処をプロが解説
目次
問題社員をどう指導すれば良いか、放置や解雇以外に対処法はないのかと頭を抱える経営者やリーダーは少なくありません。
いつもイラついている同僚、いきなりキレる上司、グータラな部下など、どこの職場でも問題社員はいるものです。こうした問題社員がいると、周囲のパフォーマンスやモチベーションは低下し、組織の成果にまで悪影響を及ぼします。
しかし、簡単に解雇できるものではありませんし、対処を誤るとさらにややこしい事態を引き起こしかねません。そのため、対処に困っている企業が多く存在するのです。
そこで今回は、問題社員を放置することによる悪影響、問題社員の特徴、そして問題社員を指導する10のポイントを紹介します。
本内容は、リーダー育成分野の権威かつ専門機関であるCCL(Center for Creative Leadership)が40年にわたる綿密なリサーチに基づき解明したポイントのため、ぜひ参考にしてください。
CCLの調査によって、問題社員はチームだけでなく、自らの上司のキャリアにも悪影響を与える可能性があることが明らかとなっています。一方で、問題社員に一貫して立ち向かうリーダーは、チーム全体のパフォーマンスを向上させる傾向や、昇進する傾向も確認されています。
大切なチームのため、そして自分自身のためにも、問題社員に対する正しい指導方法を理解しましょう。
問題社員を放置することによる悪影響
問題社員による悪影響には以下のようなものがあります。
- あなたの信頼低下(問題社員が部下である場合)
- イノベーションの減少
- アウトプットの減少
- 意思決定の混乱
- チームの評判の低下
周囲のパフォーマンスを下げるだけではなく、リーダーとして関わるあなたの評価を下げてしまいます。さらには問題社員がいるために、退職してしまう社員まで出てくるでしょう。
問題社員の特徴
問題社員の特徴について見ていきましょう。CCLは200人以上のグローバルリーダーを調査し、問題社員の行動の特徴を明らかにしました。問題社員は以下5つの行動をとるところに特徴があります。
仕事のパフォーマンスが悪い
期待に満たないパフォーマンスしか上げられない問題社員がいると、周囲が常に不足分を補わなければならず、チームに多大な負担をかけてしまいます。
他者と協働できない
同僚や顧客と良好な関係を築くことができない問題社員もいるでしょう。相手の関係性においてたびたびトラブルを起こす社員は、組織にとっては負債になってしまいます。
コーチングやフィードバックを受け入れない
コーチングやフィードバックを受け止めない社員も問題社員です。聞いているフリはするがまったく改善しない社員も同様です。こうした姿勢のままでは、どれだけ繰り返しコーチングやフィードバックを提供しても行動が変わることはありません。
変化に対して抵抗する
自らに不都合な変化に対して過敏に抵抗する社員も、問題社員といえます。この手の問題社員が抵抗を示すのは、あくまで自分自身が損や負担を被る可能性があるケースのみです。
社内外を問わず変化の激しい時代におけるリーダーは、必要な変化に抵抗・拒否する社員に対処しなければなりません。
責任を取らない・他者のせいにする
責任を取らないのも問題社員によく見られる傾向です。さらには、他者のせいにするケースもあります。こうした特徴をもつ問題社員を放置していては、周囲のパフォーマンスやモチベーションは低下する一方です。
問題社員を指導する10のポイント
問題社員を指導するための10のポイントについて紹介します。
前提として、問題社員への指導を行う際は、CCLの数十年にわたる調査によって築き上げたSBIモデル™(Situation-Behavior-Impact)を使用したフィードバックが効果的です。
SBIモデルとは、Situation-Behavior-Impact(状況-行動-影響)を示しており、状況(Situation)を明確に把握し、観察された特定の行動(Behavior)を説明し、当事者の行動が周囲に与えた影響(Impact)を説明するためのモデルです。
フィードバックを行う側の不安や負担を軽減し、フィードバックを受ける側の防御的・否定的態度を和らげることが証明されています。
その上で、問題社員を指導するための10のポイントを抑えましょう。
- 問題が発生したときに即対処する
- 従業員の言い分にもオープンに耳を傾ける
- 一回一回の対処は短く、そして問題社員の反応を確認する
- 問題社員といえども、あなたが心から気にしていることや共感を示す
- ネガティブなフィードバックを行いにくいかといって、ポジティブなフィードバックの間に挟むように伝えない
- 必要な時にポジティブフィードバックを与える
- ポジティブとネガティブフィードバックの比率は3:1
- 何を言うのか、どのように言うかを予めシミュレーションしておく
- 誰かを「正す」ことを目指すのではなく、問題社員が自ら自分の行動を意識すること・気づくことを目的とする
- フィードバックのための好ましい環境を選ぶ(少なくとも他の社員の前で行わない)
また、早い段階で質の高い効果的なコミュニケーションをとることができなかったために、対処の難易度が一気に上がってしまうことが起こりがちです。コーチングスキルおよびコーチング文化を育むことで、問題が発生してから対処するのではなく、問題を先取りして解決することができるようにしましょう。
問題社員への指導がどうしても上手くいかない時は・・・
問題社員へフィードバックを繰り返し提供しても効果がない場合は、他の方法を検討しましょう。
場合によっては、問題社員に新たなキャリアを探すよう提案することで周囲の人々を助けることができます。ただし、人事や法務の担当者と協働して慎重に取り組みましょう。
時には問題社員について上長に報告し、対処を求めなくてはならないケースが出てくるかもしれません。
その際には、事前の準備として問題行動と行動による負の影響、あなたがどのようなフィードバックを提供したのかをあわせて報告しましょう。事実を記録した書面により、問題社員からの反発や訴訟リスクなどの悪影響を減らすことができます。
問題社員が存在しない組織を実現するためには
問題社員が存在しない組織を実現するためには、上司やリーダーからの適切なフィードバックやコーチングが重要です。
ただ一方で、フィードバックやコーチングについてのスキル習得を自社のリソースのみで実現するのは容易ではありません。
弊社「株式会社インヴィニオ」は、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットしています。事業上の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させることを重視しています。
今回ご紹介したような最先端の知見や、各企業様が求める成果を上げるために有効な人財開発、組織開発のノウハウを、世界中の教育機関やコンサルティング会社とアライアンスを組んで導入しています。
人材育成に関してお困りごと・ご相談などございましたら、ぜひこちらから何でもお気軽にお問い合わせください。