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経営幹部育成における効果的なリーダーシップ開発とは?

目次
いかにして次世代の経営幹部を育成するかは、多くの企業にとって重要かつ困難な課題ではないでしょうか。
世界を代表するリーダー育成の専門機関であるCCL社(Center for Creative Leadership)は、「もはや、企業内での経営幹部育成において、優秀な人材を確保して育成を行うだけのプログラムは過去のものとなった。今では、プログラム終了後に受講したリーダーたちが、現場での活動でいかに成果をあげているかを指標とすることが当然である」と述べています。
こうした背景を受けて本記事では、経営幹部育成における効果的なリーダーシップ開発とは何かを解説した上で、開発カリキュラムを導入するための4つのポイントを紹介します。
なお、本記事にて紹介する内容は、育成のプロフェッショナルであるCCLが、綿密なリサーチおよび支援実績を基に導き出したものですので、ぜひ参考にしてください。
経営幹部育成における効果的なリーダーシップ開発とは
経営幹部育成における効果的なリーダーシップ開発とは、ハードスキルだけでなく、ソフトスキルを習得し、現場での成果につながる育成プログラムのことです。
ソフトスキルとハードスキルとは、以下の通りです。
特徴 | 具体例 | |
ソフトスキル | 主に対人において発揮される非定量的なスキル | コミュニケーション能力、リーダーシップ、柔軟性、協調性、問題解決能力 など |
ハードスキル | 主に具体的な業務で発揮される定量的なスキル | 言語能力、経理知識(簿記など)、プログラミングスキル、データ分析スキル など |
より簡単にいうと、ソフトスキルは「人との付き合いに役立つスキル」で、ハードスキルは「具体的な仕事に用いるスキル」です。
新たなハードスキル(具体的な資格や知識など)を組織に持ち帰るだけではなく、ソフトスキル(対人スキルなど)を備えてこそ、周囲に良い影響を及ぼし、組織全体のパフォーマンスを高められることは、CCLによる研究でも実証済みです。
こうした研究のベースはすでにあり、一部の大学では知識や資格などハードスキルの向上と同時に、ソフトスキルを育む総合的な教育を目指す動きがあります。一方で、教育機関の人的・財政的資源・期間などのリソースが限られているため、実現できていることは多くありません。
そのため、ビジネスで成果を上げるために欠かせない対人スキルなどの「ソフトスキル」は、社会に出てから養うことになります。
ただ多くの場合、各社員のソフトスキルの開発は、入社後の形式的な研修や実務での経験、自己研鑽に任せて体系的かつ効果的なソフトスキル開発を行えていないのが、実状ではないでしょうか。
そこで以下では、リーダーシップ開発の専門機関であるCCLの数十年にわたる支援実績や研究結果に基づき、効果的なリーダーシップ開発カリキュラムを導入するための4つポイントを紹介します。
効果的なリーダーシップ開発カリキュラムを導入するための4つポイント
効果的なリーダーシップ開発カリキュラムを導入するための4つのポイントを紹介します。
1.研究に裏打ちされた階層別の教育を行う
ほとんどの企業では、特定のリーダー層のみを対象としたリーダーシップ開発カリキュラムを提供しています。しかし、この場合のカリキュラムは、各リーダーレベルで直面する共通の課題や、異なるスキルを考慮していないことがあまりに多いのです。
より効果的にするためには、一般社員からチームリーダー、事業部門のリーダー、組織全体のリーダーに至るまで、各層に合わせて、研究に裏付けられたツールやリソースを開発のカリキュラムにとり入れる必要があります。
例えば、初めてマネジャーになった人は、自分自身で仕事をこなすことから、他の人を通して仕事をこなすことへ移行する方法を学ばなければならないという点で、特異な課題に直面します。自分自身のパフォーマンスに焦点を当てるのではなく、チームがどのように協力し、献身的に取り組んでいるか、個人のモチベーションやニーズが仕事や組織とどのように結びついているかを考慮しなければなりません。
新任マネージャーが身につけるべき能力は、経験豊富なエグゼクティブが必要とするシニアリーダーシップスキルとは異なるのです。
受講者のリーダーレベルのニーズに合わせたリーダーシップ開発カリキュラムを組むことで、より効果的かつ魅力的なプログラムを提供できます。
2.リーダーシップ能力を測る
リーダーシップスキルのギャップや改善の機会を特定するために、リーダーシップ能力を計測する、個人、チーム、組織のスキルを測定する手法があります。こうした定性的データは、プログラムの成功をベンチマークし、評価するために非常に重要です。
例えば、経営者教育プログラムを実施している企業では、対象者がすでにどのようなリーダーシップ能力を持っているのか、今後どのような能力開発を目指すべきかを判断するために、上司だけでなく同僚や部下も評価を行う「360度評価」を利用することがあるでしょう。
もし、変化に俊敏かつ柔軟に対応する能力に大きく欠けていることが評価されれば、変化を通じて人々を導くスキルや学習の俊敏性を高めることを目的とした研修プログラムを取り入れることができます。
リーダーシップ開発カリキュラムを提供する機関と協力し、組織独自の状況、対象者層、提供するコースに合わせてカスタマイズした能力評価を作成し、対象者の強みと開発すべき分野を重要度順に理解できるようにしておくべきでしょう。
3.拡張性の高いリーダーシップ開発をWeb上とリアルの両方で実現する
コロナ禍において組織があらゆるものをバーチャルに移行したことで、対面式のイベントや体験は必ずしも必要でないと多くの人が気づきました。
それに伴い、人材育成は一度きりの経験ではなく、旅のように長い過程で行うもの(ジャーニー)であると捉える方向にシフトしていったのです。
そして、効果的なリーダーシップ開発プログラムのカリキュラムを設計するため、現場学習と研修という、複数タイプの学習を組み合わせて提供するとなれば、こうした長い過程で実施することが重要です。
リーダーシップ育成カリキュラムは、集合型研修、ウェビナー、ディスカッションスレッド(グループチャットでの議論)に加え、ライブディスカッション、小グループごとの活動、講師とのオフィスアワー(講師とオープンにディスカッションができる時間)など取り入れると効果的です。
これらの体験は、参加者が「オフィスから出る」時間を減らすだけでなく、持続的なリーダーシップの育成を可能にする、より豊かで実りある教育に繋がります。
また、拡張性のあるオプションを活用することで、さまざまな階層に学習機会を提供することができます。これは、ゼロから設計するために必要なリソースを削減し、複数のソリューションをバンドルとして、または「組み合わせる」ことで内容を多様化させることができます
例えば、業界最先端の研究に基づくプレゼンテーション、ポスター、ファシリテーター用ディスカッションガイド、参加者用ワークブックなどの既成のワークショップキットを使うことができます。さらに、コミュニケーション、影響力、自己認識、変革を通じて人々を導くことなど、さまざまなトピックに関する短期コースや対象を絞ったリーダーシップワークショップを提供することができるのです。
4.社外機関との戦略的パートナーシップを構築する
効果的なリーダーシップ開発を実現するためには、社外機関との戦略的パートナーシップを構築するのが有効です。ここでは具体的に下記2つを紹介します。
大学との連携
大学とのパートナーシップを構築することで、リーダーシップに関して高いポテンシャルをもった人材を獲得できるチャンスが高まります。
例えば、産学連携プログラムのように、大学と企業が協力して、学生に実践的な教育やインターンシップの機会を提供するプログラムがあります。
その他にも産学連携プロジェクトのように、大学生や院生が企業の課題解決に取り組むプロジェクトが行われることがあります。企業が提供する実践的な課題に対して、学生が解決策を提案し、共同でプロジェクトを進める形式が一般的です。
これらの取り組みは、参加者の能力向上に貢献でき、自社の新たな技術やビジネスの創出を期待できるだけでなく、優秀な人材との関係構築ひいては志望度の向上にも寄与します。
売り手市場の昨今において、リーダーシップ開発は入社前から始まっていると言っても過言ではありません。
リーダーシップ開発の専門機関との連携
人材育成やリーダーシップ開発を専門とする企業とのパートナーシップも非常に有効です。特に幹部育成は、社内での実施は講師役のノウハウ・スキル、経験を確保するのが困難なため、容易ではありません。社内の者同士では、講師・受講者の関係を構築しにくいというのもあるでしょう。
こうした点は、外部の専門機関に任せることで解消可能です。「他社での支援実績を多く有している、自社の教育スタイルに適している、経営幹部育成やリーダーシップ育成などに強みをもっている」といった企業を選定することが大切です。
なお弊社「株式会社インヴィニオ」は、組織能力開発・人財開発の専門企業として20年以上にわたり支援実績を積み重ねてきました。CCLをはじめ世界中のアライアンスパートナーから最先端のノウハウを得ており、知識習得や能力アップのレベルに留まらせるのではなく「成果を生み出すための実力」へと昇華させることにコミットしています。
「経営幹部の育成を行いたいが何から始めるべきか分からない」「せっかくならリーダーシップ開発に強みを持つ企業に相談したい」という場合は、こちらから気軽にお問い合わせください。