Leadership Insight

リーダーシップ開発を極大化する

LEADERSHIP INSIGHT / CCL | 2022/02/15

人事部・人材開発部門の皆さんは、日々、人材育成プログラムや組織開発プログラムの実践や新たなラーニングパートナーとの関係構築に取り組んでいることでしょう。自社のトレーニングニーズに合致するものもしないものも含め、無数の新しい提案やアイデアが持ち込まれて日々、検討されているのではないでしょうか。

そのような人事部・人材開発部門には、現場のビジネスニーズに精通した方もいるかもしれません。事業部や現場のビジネスニーズを理解し、それに対するソリューションを提供できれば従業員のスキルを向上させることはもちろん、重要な人材のリテンションにもつながります。

逆に社内のリーダーシップ開発のための資源が最大限に活用されていないとしたら、皆さんは大事な機会を逃してしまっているのかもしれません。

社内のリーダーシップ開発の取り組みを強化するための4つの方法

社内のリーダーシップ開発を外部からの支援で拡充・補完する

最も効果的な学習・開発のアプローチは、社内のリーダーシップ開発の知識や経験と、外部からのサポートを組み合わせることです。リーダーシップ開発の規模を拡大し、組織における効果を最大化する方法を検討する際には、次の4つの戦略に沿って人事部内のリーダーシップ開発トレーニングの知識を存分に活用してみてはいかがでしょうか。

1.求められる人材の見直しをする

今一度、社内の人材を見直してみましょう。成長ポテンシャルのある従業員を特定の役割に固定して、抱え込んでしまっていないでしょうか?従業員のエンゲージメントを高め、効果的な人材投資をするために、各種の人材データを活用してはいかがでしょうか?来年、来期に向けて、あるいは新しい取り組みに向けて学習項目を計画する際には、コミットメントを高め、人材のポテンシャルを開発し、リーダーシップのパイプラインを拡充できるような方法を検討しましょう。このプロセスは、従業員の自己啓発やキャリアプランの一環であると同時に、人事部門の能力を最大限に引き出し、組織内のリーダーをスキルアップさせる戦略でもあります。新入社員向けのセッションを開催したり、有望な人材を指導したり、初任管理職向けの合同学習プログラムを開発したりするような機会があれば、それは人事部の役割を活性化し、より積極的に開発に取り組むチャンスとなるかもしれません。

360度フィードバックのデータを利用して、組織の人材とビジネスに関する意見を収集することで、人事部の役割をさらに向上させることができます。

2.コーチング能力を高める

コーチングは、人材を育成するための価値の高い方法として、ますます多くの組織で採用されています。人事担当者の中には、コーチングに関するトレーニングを受け、豊富な経験がある人もいれば、そうでない人もいます。しかし、伸び悩んでいるハイポテンシャルな人材や、攻撃的な言動が問題となっているハイパフォーマーをコーチングしなければならない時、人事部にそれが任されることが多いものです。ビジネス部門に所属する人事スタッフも、オペレーションチームの管理者と日々仕事をする中で、コーチングを行う機会があります。その管理者らが自分の部下と能力に関する会話をしようとするときに、皆さんの指導を仰ぐかもしれません。上手にフィードバックを与えるトレーニングをすることで、人材育成の質が一気に向上します

外部講師を招くことも良いのですが(時にはその方が望ましい場合があります)、社内の人材がコーチングスキルを身につけ、しっかりとしたコーチング能力を確立することは、人事部門にとって重要なことです。

3.ファシリテーターを活用する

おそらく、皆さんの組織には、組織を熟知した経験豊富なファシリテーターがすでにいるはずです。そのような人はさまざまな役割を担っており、人事部に所属していない場合もあるでしょう。社内のリーダーシップ開発のキャパシティを見直す際には、イベント、ディスカッション、ワークショップ、トレーニングセッションをリードできる人材の価値を見落とさないようにしましょう。

4.学習習慣を定着させることに注力する

学習はプロセスであるため、人事部による学習のサポートと、日々の仕事に学習を活かす方法を今一度検討してみてはいかがでしょうか。CCLの学習転移モデルは、人事リーダーが持続可能なリーダーシップ開発の取り組みに必要な要素をマッピングするのに最適です。従業員が新しいアイデアや仕事のやり方を実践し、業務に取り込むためには、さまざまな種類の学習ネットワークが必要となるため、仮想学習ツールやソーシャル学習ツールを活用したり、学習を強化するために社内のつながりを広げたりすることが望まれます。

アカウンタビリティ・パートナー、学習のパートナー、メンター、マネージャーなど、すべての立場の役割を果たすことができます。また、デジタル学習体験をゲーム化すれば、エンゲージメントや完了率を高めることも可能です。