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SMARTの法則だけでは時代遅れ!リーダーに必須の目標設定5ステップ
目次
SMARTの法則はよく耳にするけど「時代遅れ」なのでは?
確かに、SMARTの法則がジョージ・T・ドラン氏によって1981年に提唱されてから既に数十年が経過しており、このように思うのも無理はありません。
しかし、SMARTの法則そのものは時代には左右されにくい要素で構成されており、不偏的かつ普遍的といえます。今でも世界のリーダーがSMARTの法則を活用して、成果を挙げています。
正確には「SMARTの法則だけ」では「時代遅れ」なのです。
リーダーの最も重要な役割は目標(ゴール)を設定し、その目標に到達するために周囲を動機づけて前進することです。「目標設定」の重要性は強く認識されているものの、SMARTの法則などの特定の法則に偏ったり、必須ポイントを外していたりするために、目標として機能していないケースが少なくありません。
そこで今回は、リーダーとして必ず抑えるべき、目標設定時に避けるべき3つの落とし穴、SMARTの法則を含んだ目標設定の5ステップを紹介します。
また、本内容はいずれもリーダー育成分野の権威かつ専門機関であるCCL(Center for Creative Leadership)が40年にわたる綿密なリサーチに基づき解明したポイントのため、ぜひ参考にしてください。
SMARTの法則が時代遅れの理由|目標設定時に避けるべき3つの落とし穴
そもそもSMARTの法則とは、Specific(具体的)・Measurable(測定可能) Achievable(達成可能) Realistic(現実的) Time-Limited(期日)の5要素で構成された、目標達成の精度を高めるフレームワークです。
冒頭で記した通り、SMARTの法則そのものは決して時代遅れではなく、SMARTの法則だけで目標設定を考えてしまうと、いわゆる「時代遅れ」になってしまうのです。
そこで、まずは確実な目標設定を実現して達成の確度を高めるためにも、時代遅れにならないためにも「避けるべき3つの落とし穴」を理解しておきましょう。
1. 自分自身の価値観・信念の不在
リーダー育成分野の権威であるCCLは、これまで数多くのリーダーが設定した目標を見てきましたが、その多くが“頭で考えた”ゴール設定になっていました。「価値観や信念」を入れ込めていないのです。
自らの価値観・信念を入れ込んだ目標を設定すれば、実現する可能性がはるかに高くなります。自らの感情・熱意を目標設定のプロセスに持ち込み、打ち出した目標が自らの価値観・信念をどの程度、反映しているのかを確認してみてください。
2. 具体性・現実性の欠如
1で挙げた通り、価値観・信念・感情・熱意を目標に入れ込むことは大切ですが、実現および達成のためには「具体性と現実性」が欠かせません。そこでSMARTの法則の出番です。SMARTの法則に沿って目標を設定すれば、大きな目標であってもを5つの要素に細分化して精査・調整することで、具体性と現実性を高めることが可能です。
3. 支援の不足
目標を掲げたとしても、周囲からの支援が十分でなければ達成は困難です。上司や部下、同僚はもちろん、家族や友人も含めて、あなたがゴールに向かって進むための協力を取り付けましょう。そのためには、1と2をクリアしておくことが必要となることが、お分かりいただけるのではないでしょうか。
また、例えばコーチやメンター、プロのコンサルタントなどからのサポートを受けられるとゴール実現の可能性がはるかに高くなります。
時代遅れを回避!SMARTの法則を含んだ目標設定の5ステップ
SMARTの法則だけでなく、目標設定および達成に必要なその他の要素も踏まえた5ステップを紹介します。以下を参考にして時代遅れとなるのを回避しましょう。
1.REFLECT:信念・価値観を入れ込む
自分自身の価値観が目標に反映されていない場合、成功に向けた動機付けは弱くなります。
そのため自分の価値観を正確に知っておく必要があります。まずは「これまでと今後のキャリア」「ありたい姿」「家族との関わり方」「自分が参加しているコミュニティでの存在」「自分の精神状態」の5つのポイントを振り返りましょう。
その際は、それぞれのポイントで自分がどのように行動しているのか、その行動には自らのどのような価値観が反映されているのかを確認することをお勧めします。この内省によって自分が何を変えたいのか・改善したいのかのヒントが得られるのです。
例えばこんな問いかけを自らにしてみると良いでしょう。
自分はいったい何に時間とエネルギーを費やしているのか?
何に熱中しているのか?
もっと何をする必要があると考えているのか?
何を減らすべきと思っているのか自分に足りないものは何か?
時間をかけて自分の考えや気持ちを整理し、変更したいこと、または別の方法で実行したいことを5つ挙げてみてください。この作業は自分の意思を実現するための重要なファーストステップです。
2.FOCUS:集中し、研ぎ澄ます
ステップ1で洗い出した5つのうち1つだけを選択し、SMARTの法則を満たした目標に変えていきます。
Specific(具体的:できるだけ詳細に自分自身のゴールを書き留める
Measurable(測定可能):進捗状況をモニタリングし、結果を確認するための定量的な指標を設定する
Achievable(達成可能):実現可能なゴールであることを確認する
Realistic(現実的):ゴールにたどり着くための現実的な要件を認識する
Time-Limited(期日):ゴール実現までの期限を設定する
3.PLAN:具体的な行動を計画する
SMART目標を、正しい方向に進むための小さな具体的なステップに分解します。明日から取るべき行動を少なくとも1つはリストアップし、実行する具体的な時刻も設定します。これは、職場においても家庭においても、より大きな意味・意義をもちながら生活することの実践です。
4.GET SUPPORT:周囲から支援を得る
必要となる可能性があるさまざまな種類のサポートを求めることができる家族、友人、または同僚を思い浮かべてください。自分の掲げた目標を誰にいつ、どのように話し、どのような支援を得るのかを計画していきます。
5.REVISIT:確認し修正する
毎週、目標に対してどのように取り組んでいるかを評価します。自分自身の価値観に焦点を合わせて内省してみてください。ゴールである目標により近づくために次の週にどのような行動を取るかを決定し、必要に応じて新しいマイルストーンを設定しましょう。
目標を適切に設定し、達成できる人材を育てるには?
今回紹介したプロセスを身につけて実行するまでには、一定の時間を要します。具体的かつ現実的、さらに自らの価値観や信念までが込められた目標設定を行うのは。リーダークラスであっても決して容易なことではありません。
その反面、とくにリーダーには、論理やノルマの達成だけでない「熱」のこもった目標設定を求めたいところではないでしょうか。
弊社「株式会社インヴィニオ」は、各企業様が求める成果を上げるために有効な人財開発、組織開発のノウハウを、世界中の教育機関やコンサルティング会社とアライアンスを組んで導入してきました。今回紹介した内容はその一部です。
弊社では、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットしています。事業上の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させることを重視しています。
目標を適切に設定し、達成できる人材の育成に関して、お困りごと・ご相談などございましたら、こちらからお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人:インヴィニオ編集部