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大量退職時代に日本のリーダーが実践すべきコミュニケーションの秘訣7選
目次
大量退職時代が日本にも到来しています。主に転職を要因とする退職が相次ぎ、人材の確保や定着に関するプレッシャーに頭を悩まされるリーダーも多いのではないでしょうか。
特にコロナ禍を経たことで、多くの人が「何のために働くのか」を改めて考える時間をもった結果、今の仕事を離れて自分が本当にやりたかった仕事へ移っていく動きが目立っています。
こうした状況に対して、簡単かつ費用対効果の高い対応策があります。それがコミュニケーションの改善です。リーダーという立場にのしかかるプレッシャーを軽減し、優秀な人材を確保するためには、コミュニケーションの改善に注力することが有効なのです。
そこで本記事では、大量退職時代に日本リーダーが実践すべき「コミュニケーションの秘訣7選」を紹介します。この秘訣は、世界を代表するリーダー育成のプロであるCCL社(Center for Creative Leadership)が、綿密なリサーチおよび支援実績を基に導き出したものですので、ぜひ参考にしてください。
大量退職時代のプレッシャーにさらされるリーダーが意識すべきはコミュニケーション
人材の確保と定着はどの組織においても重要な課題であり、その解消に向けて給与アップなどの提案がなされています。
コロナ禍を経て「ニューノーマル」への適応に足踏みし始めた矢先、「大量退職」によって優秀な人材が流出し、すでに存在していた亀裂が広がり始めたのです。
多くの企業にとって「大量退職」は迫り来る危機を告げるものです。人材を含むリソースが不足するなか、組織はどのように優先順位の変化に対応すればよいのでしょうか。
このような状況下では、気持ちが麻痺してしまいがちですが、簡単かつ費用対効果の高い対応策があります。それこそが「コミュニケーションの改善」なのです。
コミュニケーションは、皆さん自身や皆さんのチーム、ひいては組織が困難や危機に直面した際に、生き残り、成功するために必要な鍵となります。危機におけるコミュニケーションは、リーダーがコミュニケーションという重要な鍵を用いて、その困難やプレッシャーを解消するのに役立つ重要な方法なのです。
大量退職時代を乗り切るためにリーダーが実践すべきコミュニケーションの秘訣7選
大量退職時代を乗り切るために、日本のリーダーが今こそ実践すべきコミュニケーションの秘訣を7つ紹介します。
1.コミュニケーションのバルブを開く
緊急事態や問題が発生した時にのみ連絡を取るのではなく、定期的かつ一貫性をもって、コミュニケーションを行うようにしましょう。いつどのようにコミュニケーションをとるのか、チームに周知徹底してください。
その上で、単にコミュニケーションの機会を増やすだけでなく、フィードバックを求めることが大切です。人々は何を聞き、あなたの言うことをどう受け止めているのでしょうか。
そして、自分の意図ではなく、理解するために耳を傾けるようにしましょう。事実、感情、価値観を探りながら話を聞くのです。
あなたの意図は正確に伝わっているでしょうか、混同されていないでしょうか。
積極的に話を聞き、理解することは、プレッシャーなかで効果的なリーダーシップを発揮するために不可欠です。水道の蛇口を開けたら、水がきれいに流れるかどうか確認してください。
2.すべてのバルブを開放する
他者の考えや感情を自分が知っていると思い込まないようにしましょう。そうではなく、異なる経験、背景、役割、視点を持つ人たちを意図的に取り込むのです。組織内すべての人の意見に耳を傾けることで、革新的で前例のない解決策に行き着けます。
そのためには、新しい声を取り入れるための時間と空間を作り出してみてください。例えば、以下のような案が挙げられます。
- これまでアンケートを実施していたのであれば、オープンな対話形式に変更する
- 大規模な公開討論会で意見を求めていたものを、オンラインで意見を集める
- グループでの対話が多いなら、1対1の対話の時間を増やす
このように、フィードバックの場を意識的に変えるだけでも、参加者のレベルが変わり、新たな意見や視点を得やすくなるのです。
3.自分の影響力の範囲を明示する
自分が影響力を有しておりコントロール可能な範囲について正直に話し、他者が自分の範囲について理解できるようにしましょう。
「自分の影響力がどこまでなのか」「どうすれば皆が望む変化を実現するために協力し合えるのか」を示すのです。自分の影響力をオープンにすることで、ユニークな解決策を見出すことができるかもしれません。その上であえてリーダーが一歩下がることで、変化を生み出す力を持った人が前に出るチャンスが生まれます。
4.弱さを認めて素直に助けを求める
プレッシャーの中でリーダーシップを発揮しなければならないなど、自分自身の苦悩を認識し、周囲も同じようにできるようにしましょう。
自分を含む全員が損失とストレスを経験しているのです。チームメンバーや同僚は、自分が一人ではないことを知る必要があります。恐怖や弱さを認めることは逆説的に思えるかもしれませんが、その姿勢こそが信頼を生み、心理的な安全性を高めることにつながるのです。
5.基本に立ち返る
著書「WHYから始めよ!」で有名なサイモン・シネックは、「私たちは皆、なぜ(Why)から始めるべきである」と提言しました。大量退職時代において、このアドバイスはますます重要なものとなるでしょう。
そもそも「なぜその組織で働くことになったのか」を思い出してみてください。
なぜ、皆さんはそこで働くことにしたのでしょうか。
世の中が変わっても、自らの使命や目的は変わりません。しかし、その使命を達成する方法は間違いなく変化していきます。だからこそ、あらゆる組織のリーダーが今、目的を持ったリーダーシップへのマインドセット・シフトを進めているのです。
そこで、一息ついて「チームの皆が、自分たちの仕事がなぜ重要なのかを理解するための機会」を設けてください。チームの全員に目を向け、一人ひとりが日々の仕事と自分の信念を結びつけて、価値観を一致させる手助けをしましょう。
6.流されない
バルブを開けたことで、多くの提案を耳にし、再びプレッシャーがかかる可能性があります。そのような事態に陥る前に、効果的な委任を行い、信頼関係の構築と他者の能力開発を促進する機会を見極めましょう。
例えば、従業員満足度を向上させるための素晴らしいアイデアを持っている人がいたら、その人に調査を依頼します。興味のあるチームメンバーで解決策についてのブレインストーミングを実施し、そのフォローアップをチームメンバー間で割り振らせるのです。
また、リーダーシップの育成は、企業のトップ層だけのものではありません。CCLの調査によると、離職する主な理由の1つは、専門的な能力開発の機会が不足していることにあります。成長・発展のための機会を公平に提供することは、より良い解決策をもたらすだけでなく、従業員のエンゲージメントと満足度を高めることにもつながります。
リーダーが日常的に用いている共通目標に向かって人々をまとめるスキルは、まさに人材を惹きつけ、維持するためのスキルなのです。
7.成果や成功を称える
大量退職時代のように環境による影響が大きく、リーダーに対するプレッシャーがかかりやすい状況下では、うまくいかないことに目が行き、成果やうまくいっていることを否定してしまいがちです。
そこで、「小さな勝利」や「小さな喜び」を意図的に探し出し、祝福してください。現在の状況を楽しいと思えなくとも、感謝や評価を通じてそれを変えることが可能です。職場で感謝の気持ちを示すことと、従業員のエンゲージメントには強い関係があることがデータで示されています。
会議の冒頭で、組織が顧客や地域社会、あるいは世界にどのような影響を及ぼしているか、実際の事例を紹介するのも有効です。また「社員をほめる」場面も設けて、個人の具体的な貢献を称えるのも良いでしょう。
どのようにアプローチするにしても、感謝の気持ちを伝える努力をすることは、そのために要する手間と時間よりもはるかに多くのものを返してくれるでしょう。
大量退職時代を乗り越えて組織を発展させるために
大量退職、労働力不足、少子高齢化など、対処しがたい課題が山積しています。だからこそ、自らや組織のために有効なコミュニケーションを実践し、プレッシャーから解放されることが欠かせません。今回紹介した7つの秘訣は、まさにその助けとなるものです。
また弊社「株式会社インヴィニオ」では、20年以上積み重ねてきた実績と、CCLを含む世界中のアライアンスパートナーから得た最先端のノウハウを用いて、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットしています。
プレッシャーに打ち勝てるリーダーの育成だけでなく、事業上の成果として表れるように、個人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化できるのが強みです。
大量退職時代においても、安定的に活躍できるリーダーを育てたいとお考えの場合は、ぜひこちらから気軽にお問い合わせください。