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チームのパフォーマンスを高めて成功に導く3つの重要ポイントをプロが解明
目次
チームとしてのパフォーマンスを最大限に引き出せているでしょうか。
あらゆる事柄の変化が激しく多様性に富んだ現代において、一人のカリスマリーダーの存在や、チーム内の限られたメンバーによる努力だけでは思うような成果が得られないことがはっきりとしてきました。
また昨今では慣れ親しんだチームのみならず、組織横断的に、時には社外のパートナー企業ともチームとなって成果を出すことが求められています。
ただ一方では、以下のように悩むチームリーダーやメンバーも多いのではないでしょうか。
「チームで仕事を進めるためのノウハウを体系的に学んだことがなく不安」
「チームとして何か足りないと感じても、それを特定できない」
「コミュニケーション以外に重視すべきことが分からない」
そこで今回はチームのパフォーマンスを最大限に引き出し、成功に導くための3つの重要ポイントを紹介します。重要ポイントを体系的に網羅できるため、チーム運用に携わる際のチェックリストとしても機能します。「このチームには何が必要か」「チームとしてヌケ・モレは無いか」などの特定にお役立てください。
チームを成功に導くために必要なものとは?
チームで成果を上げるためには、全チームメンバーの参画意識を引き出し、様々な課題や利害が対立する議題を調整し、共通の目的の下に一致団結することが求められます。ここまではチームワークを通じてプロジェクトや業務を行ったことがあれば当たり前に理解しているところでしょう。
ただし、より厳密にいえばチームにも「ライフサイクル」が存在し、どのステージにいるのかによって対処すべき課題が異なり、課題解決のために必要となる資源も異なります。チームメンバーは自分たちが立っているステージ、そして対処すべき課題を理解し、何がうまくいっていて、そうでないものは何なのかを特定して解決策を考える必要があるのです。
リーダー育成分野の権威であるCCL(Center for Creative Leadership)は、40年にわたる綿密なリサーチによって、チームが取組むべき課題・ニーズには3種類あることを突きとめました。
「心理的安全性」や「エンゲージメント」という言葉をひとり歩きさせるのではなく、以下で紹介する3つのニーズに取り組むことで、より効果的・効率的にチームのパフォーマンスを向上させることができます。
計画立案に関するニーズ(PLANNING NEEDS)
計画立案に関するニーズ(PLANNING NEEDS)は、計画立案時~実行直後までの段階でクリアすべきポイントを6つの要素で示したものです。
いざ動き出そうとしているチーム、最初の取組みがうまくいかずに再編成されたチーム、スタート直後から困難に直面して困惑しているチームなど、どのような状況におかれたチームであっても以下6つの要素を落ち着いて確認・対処すれば力強く前進できます。
1.チーム憲章
以下がチームメンバーに共有されているでしょうか?
・このチームは何を目指しているのか(全体的な目標)
・目的を果たすために必要かつ利用可能なリソースは何か
・制約条件があるか
2.指標
測定可能なチームの成果内容と関連する重要なマイルストーンは明確でしょうか?
客観的な評価指標は、目標達成のためにはもちろんのこと、チームのモチベーション維持や向上、外部へ成果を示すためにも不可欠です。
3.チームの規範
チームメンバー間で、行動規範は明確に共有されているでしょうかでしょうか?
仕事を割り振るプロセスで意見の対立が起きた際の解決方法など、日常的な問題をどのように処理するのかを予め定めておきましょう。チームの規範が明確であれば、予期しない状況や複雑な状況に対しても、メンバー自身が考えて対処するのに役立ちます。
4.タスクの決定
チームとして採用する問題解決へのアプローチ方法と、目標を達成するためのアクションは、具体的に決まっているでしょうか?
5.共通の理解
チームメンバーの視点は共通化できていますか?
メンバー間の認識の違いを把握しているにも関わらず、「言わなくてもわかるだろう」と考え言語化しないまま放置しないようにしましょう。これでは、直面する課題や利用可能な経営資源についての理解、チームメンバー間の信念の違いなどにより、思わぬ場面でつまずくリスクがあります。
6.チームが持つ無形資産
チームメンバーはこれから立ち向かう課題に関して、どのような関連知識、情報、スキルを持っているでしょうか?
過去に似たような課題に取り組み、手痛い失敗経験のあるメンバーの教訓は大いに役立ちます。また各メンバーがそれぞれ持っている専門スキルはどのように可視化し、共有することをお勧めします。
行動に関するニーズ(ACTION NEEDS)
チームが目標達成に向けて具体的な活動を行う段階では、チームとして以下の6つに注意を払うことでパフォーマンスを維持・向上させることが可能です。
1.進捗とアウトプットのモニタリング
進捗状況をどのように確認し、チーム内に伝達するのかを決めているでしょうか?進捗表や報告書、報告メールの定期的な発信をなどが挙げられます。
2.活動全体のモニタリング
人や予算、情報といった経営資源の使用状況を確認および追跡し、利害関係者、市場、その他の外部要因の状況をモニタリングするための仕組みやプロセスは整備されているでしょうか?
3.調整手段
どのように主たる活動やイベントに優先順位を付けるのか決まっていますか?
優先順位の決定は、予め基準が定まっているといないとで所要時間に大きく差が生じます。事前にチームとして何を優先するのかを協議の上、決定しておきましょう。
4.コミュニケーション
チームメンバーが互いにオープンなコミュニケーションをとれるようになっているでしょうか?チームワークを通じて質の高いアイデアや情報交換を経験できる状態は、チームとして成果をあげるためには欠かせません。
5.チームメンバーの行動に対するモニタリング
チームメンバーの行動に対するフィードバックはいつ、だれがどのように行うかを決められているでしょうか?
6.他の組織との連携
チームの進捗状況やパフォーマンスなどの情報はいつ、どのように他の組織と共有しますか?
対人関係に関するニーズ(INTERPERSONAL NEEDS)
チームという形式をとる限り、対人関係に関する問題の発生を避けることは困難です。ここでは、対人関係に関するニーズ(INTERPERSONAL NEEDS)として、抑えるべき4つの重要ポイントを紹介します。
1.モチベーションの醸成・維持・向上
チームメンバーは、各々の役割を認識してやりがちをもち、自らのパフォーマンスに対して明確に説明責任を果たせるでしょうか?必要に応じて、役割や本人に期待していることの再認識を促しましょう。
またチームとして団結し、困難な課題に立ち向かう空気感を醸成・維持できているでしょうか?できていない場合は、個人のモチベーションに限らず他の3要素にも原因がないかを探りましょう。
2.心理的安全性
チーム内に相互の信頼関係はありますか?
チームメンバーは互いに尊敬されており、自分の意見が他のメンバーにいつでも聞いてもらえると感じており、自分の考えをオープンに話せる状態にしましょう。
3.感情のマネジメント
チーム内、チームメンバーそれぞれが持つ感情は上手くマネジメントできているでしょうか?
挫折を経験したメンバー、なかなか成果が出せないことに不満を持つメンバー、自信過剰になってしまっているメンバーは、チームメンバー間に感情的な緊張を引き起こす可能性があり、予め対処法を考えてくことが重要です。
4.対立解消手段
チームメンバー間の意見が対立した場合の解消手段は確立できているでしょうか?心理的対立と認知的対立の区別はついていますか?
いかにして個人攻撃を無くし、建設的な議論に持ち込めるかを想定しておきましょう。
チームを成功に導ける人材を育てるには?
チームが成果をあげるためには、チームリーダーに限らずチームメンバーの積極的な協力が欠かせません。ただチーム運用に関する教育を十分に行えている企業は少なく、行っているとしてもチームリーダーに限定されている場合が多いのが実状です。
弊社「株式会社インヴィニオ」は、各企業様が求める成果を上げるために有効な人財開発、組織開発のノウハウを、世界中の教育機関やコンサルティング会社とアライアンスを組んで導入してきました。今回紹介した内容はその一部です。
また弊社では、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットしています。事業上の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させることを重視しています。
チームを成功に導ける人材の育成に関して、お困りごと・ご相談などございましたら、こちらからお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人:インヴィニオ編集部