デジタライゼーションやDX（デジタルトランスフォーメンション）の優先順位を高めて取り組んでいる企業は多いのではないでしょうか。

人手不足や多様な働き方への対応、目まぐるしく変化する外部環境への適応など、デジタライゼーションはいかなる企業にとっても欠かせない取り組みとなっています。

ただ一方で、「他社事例などに習ってデジタル化を進めてみたが、効率や生産性が上がったように思えない」「ツールやシステムなどカタチだけデジタル化したが、使いこなせていない」といった企業も多いのが実情です。

こうした状況は、社内に「デジタライゼーションに必要な要素」が備わっていないことが原因の可能性があります。そこで今回は、デジタライゼーションの成功に必要な要素を、構成モデルと併せて紹介します。

なおここで紹介する各項目は、50か国以上・8,000社以上もの業績や組織パフォーマンスの向上を支援してきた米国企業「デニソンコンサルティング」が開発した「デニソン組織文化診断」の追加モジュールに用いられているものですので、ぜひ参考にしてください。

デジタライゼーションとは

デジタライゼーションとは、各業務プロセスにおいて紙などアナログなものからデジタルデータに置きかえて、効率や生産性、商品の付加価値などを向上させる取り組みのことです。

またDX（デジタルトランスフォーメンション）とは、デジタライゼーションを実施していき、自社のビジネスモデルに変革をもたらすことを指します。混同されがちなため、注意しましょう。

デジタライゼーションを成功に導く構成モデル

デジタライゼーションを成功に導く構成モデルを紹介します。

世界中の企業を支援してきたデニソンコンサルティングは、重要度が増すデジタライゼーションについて、実績データを基にした数年の研究により「クライアントが評価や進捗確認に使えるモデルおよび指標」を開発しました。具体的には、次の通りです。

本モデルは、「デジタル戦略」「デジタル人材」「カスタマーエクスペリエンス（顧客体験）」「革新的な商品」「生産と納品」「インフラ」の6つの要素（指標）で構成されています。各要素については、以下で紹介します。

デジタライゼーションの成功に必要な6つの要素｜実際の調査項目より

デジタライゼーションの成功に必要な6つの要素について、以下で具体的に紹介します。ここでは「デニソン組織文化診断」の追加モジュールとして実際に用いられる18の項目を用いて紹介していきます。

以下を各社員に訪ねて当てはまる割合が多いほど、デジタライゼーションを行いやすい環境が整っているといえるでしょう。反対に当てはまらない項目は、自社のデジタライゼーションを進める上で特に対処が必要な点であることが分かります。

デジタル戦略

組織でDXを推進するためには、明確な戦略計画がまず不可欠です。
その上で、リーダーシップを発揮して戦略をしっかりと伝えて理解を深め、日々の意思決定に反映できるように可視化していく必要があります。

1．私たちのリーダーは、私たちのデジタルトランスフォーメーションに関するビジョンを明確に伝えています。
2．私たちのデジタルトランスフォーメーション戦略は、日々の意思決定の中で可視化されています。
3．私たちは、利用可能なすべての情報源からデータを収集し、処理し、分析する包括的な戦略を持っています。

デジタル人材

DXなど大規模な変革には、組織文化の変革が必要になります。つまり、考え方、才能、リーダーシップスキルにおける変化が求められるのです。
具体的には、データサイエンス、ソフトウェア開発、AIの専門知識などを備えた「デジタル人材」を育成することが重要です。

4．当社のデジタル人材は、競合他社に対する明確な優位性を持っています。
5．私たちは、デジタルトランスフォーメーションを実行するために必要なスキルと能力を備えています。
6．私たちは、将来必要となるデジタル人材を積極的に採用しています。

カスタマーエクスペリエンス（顧客体験）

デジタルの世界におけるバリューチェーンは、お客様から始まります。つまり、カスタマーエクスペリエンス（顧客体験）によって革新的な製品設計や生産・配送プロセスが推進されていくのです。このプロセスを構築するためには、顧客体験をリアルタイムで理解することが欠かせません。

7．私たちのデジタル能力によって、簡単で効果的、かつ感動的な顧客体験を提供することができます。
8．私たちのデジタル戦略により、お客様のニーズをより的確に満たすことができます。
9．私たちは、リアルタイムのデータと分析を利用して、オーダーメイドの顧客体験を提供することができます。

革新的な商品

革新的な商品は、顧客のニーズに合わせて設計され、改善されていくものです。顧客体験を継続的にモニタリングし、リアルタイムに分析することで得られる情報を元にすることで、革新的な商品が生み出されるプロセスを構築できるのです。

10． 私たちの新しい製品デザインは、顧客体験に関するリアルタイムのデータから情報を得ています。
11．私たちは、より多くの価値を提供するために、製品とお客様を継続的にモニタリングしています。
12．私たちの製品設計には、データと分析が最大限に活用されています。

生産と納品

商品を生産して納品するプロセスも、デジタライゼーションによって効率化できます。デジタライゼーションを通じて生産システムを強化できるだけでなく、顧客サポートのニーズに対する予測分析も効果的に活用できます。

13．デジタル機能によって、スピード性のある生産システムを確立することができています。
14．私たちは、予測分析を用いて、顧客サポートのニーズを予測しています。
15．私たちは、デジタル機能を用いて、生産能力を自動化し、合理化しています。

インフラ

デジタルインフラは、DXを含む企業におけるイノベーションの基礎となるものであり、重要な資産のひとつです。

16．私たちのデジタルインフラは、私たちのすべてのイノベーションをサポートする強固なプラットフォームを作り出します。
17．当社のデジタル能力によって、競争力のある革新的な新しいビジネスモデルを開発することができます。
18．ビジネスユーザーは、私たちの競争に役立つ最新のデータと指標に継続的にアクセスすることができます。

デジタライゼーションの要点を導き出す組織文化診断

デジタライゼーションを成功させるためには、先の6つの要素について「それぞれがどのレベルにあるか」「どの要素が不足しているか」を明確に理解する必要があります。

そこで有効なのが冒頭でも紹介した「デニソン組織文化診断」です。デニソン組織文化診断は、25年にわたり50か国以上・8,000社以上もの業績および組織パフォーマンスの向上を支援してきたデニソンコンサルティングにより開発されました。

デニソン組織文化診断は信頼性と効果の高さから、コカコーラやNASAをはじめとする多くの世界的大企業にも採用されています。「回答は参加者ごとに15分〜30分程度で簡単に行える」上に「実践および実績に直結する調査結果を得られる」という点も多くの支持を得ている理由です。

また弊社インヴィニオは、デニソンコンサルティングの日本パートナーとして国内企業向けに「デニソン組織文化診断」を提供・実施しています。実績に裏づけられた組織文化診断を用いることで、把握や分析のレベルに留まらせるのではなく「実績向上」にコミットします。

「デジタライゼーションのような不可欠な変化に適応できる組織にしたい」とお考えの場合は、以下から気軽にお問い合わせください。もちろん「変化が激しい現代において安定した成果を挙げ続けるためには、何から取り組むべきか」といったご相談も歓迎です。

無料で問い合わせる