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事例
株式会社クラレ – One Kuraray Leadership Challenge Programについて

右)
株式会社クラレ グローバル人事センター 事業パートナーグループ
宮城昭人様
左)
株式会社インヴィニオ コンサルタント 中村聡
株式会社インヴィニオ コンサルタント 土田愛
プログラム概要
| プログラム名 | One Kuraray Leadership Challenge Program |
|---|---|
| 目的 | 理念浸透を通じたグローバルにおけるリーダシップ層社員の求心力強化 |
| 対象 | グローバル次世代幹部候補者 (約15名) |
| 日数 | 2日間 (弊社担当パート) |
| 言語 | 英語 |
| 特徴 | ダイアログマットの活用、倉敷フィールドツアーとの組み合わせ、企業理念と個人の価値観との紐付け |
プログラム成果
- 自社の理念・価値観やVisionへの理解と共感
- リーダーとして理念浸透や組織変革のイニシアティブをとることへのマインドセット
- 自社と自分の価値観の紐づけ及びグループ全体としての一体感を醸成
全体像イメージ

One Kuraray Leadership Challenge Programについて
株式会社クラレ グローバル人事センター 事業パートナーグループ 宮城さんにお話を伺いました。クラレの理念を世界中の社員と共有するために立ち上げられた本プログラム。その背景や実施後の手応えについて、率直に語っていただきました。
まずは、宮城さんのご経歴について教えてください。
私は2004年にクラレに入社し、最初の約15年間はポバール樹脂事業部で営業・マーケティングに携わっていました。2008年からは6年間シンガポールに、続いて2年間インドに駐在し、アジアパシフィック地域の営業活動に従事しました。
帰国後は本社でグローバル販売管理やグローバルオペレーションの仕事を経験し、各国のメンバーとプロジェクトを進める中で、事業のグローバル最適化にも取り組みました。
2019年に人事部へ異動となり、最初はまるで転職したかのような感覚でしたが(笑)、グローバル人事システムの開発・運用や人材育成を担うようになりました。2年ほど前からは「グローバル人事センター」に新設された「事業パートナーグループ」に所属し、HRBP(Human Resources Business Partner)として各事業部の人事窓口を務めるとともに、グローバル研修の企画運営を担当しています。
今回の「One Kuraray Leadership Challenge Program(OKLCP)」は、まさにその一環として関わることになりました。
本プログラム(One Kuraray Leadership Challenge Program)立ち上げの背景を教えてください。
クラレはこの10~20年で急速にグローバル化が進み、日本人社員は約6割、外国人社員が4割を占めるようになっています。日本人社員は新入社員研修で創業の地である倉敷を訪れて歴史を学ぶ機会がありますが、外国人社員やキャリア採用入社者 にはそのような機会がほとんどありませんでした。
異なるバックグラウンドを持つ社員が増える中で、クラレが大切にしてきた理念や価値観を共有し、組織の一体感を高める必要性を強く感じました。そうした課題意識から、グローバル研修の一環としてこのプログラムを企画しました。
プロジェクト推進にあたって難しかった点は?
一番悩んだのは、誰を対象にするかという点でした。最初は事業部長クラス全員に受けてもらう案もありましたが、別のプログラムとの重複などもあり、最終的には次世代経営幹部育成プログラム「Kuraray Leadership Program “KLP”」の参加者を対象に実施しました。KLPには部長クラスの社員が参加しており、規模感や目的の一致から最適だと判断しました。
もうひとつ、各拠点・事業ごとの独立性が強くなる中で、共通理念のもとで横串を通すような企画が必要だと感じていました。それぞれの組織が個別最適に動きがちな状況で、「One Kuraray」というビジョンをどう現実の行動につなげていくかという観点からも、このプログラムの設計と導入は非常にチャレンジングでした。
また、当初は映像や教材の制作も含めた広範なプログラム案もありましたが、最終的には倉敷でのフィールドワークとワークショップにフォーカスを絞る判断をしました。共感を中心に据えた体験設計に切り替えたことで、狙いがより明確になったと思います。
本プログラムに、インヴィニオをパートナーとして選んでいただいた理由を教えてください。
インヴィニオ様には以前グローバル研修をご提供いただいていたことがあり、クラレのことをよく理解してくださっていました。特に、倉敷でのフィールドワークとワークショップを組み合わせ、「共感」を重視した設計がとても魅力的でした。
担当の中村さんは、的確で具体的なアドバイスをくださり、提案の引き出しも豊富。毎回の打ち合わせでも弊社の中期計画やアニュアルレポートを読み込んで来られていて、「私たちのことを深く理解してくれている」と強く感じました。
クラレの理念や歴史を尊重いただき、言語化が難しい部分まで丁寧に設計に落とし込もうとしていただけたので、大変頼りになりました。
それでは、実際にワークショップをやってみて手応えはいかがでしたか?
参加者からの満足度は非常に高く、研修への評価結果は他の研修と比べても非常に高い結果となりました。特に海外からの参加者は、創業の地を訪れ、歴史を体感できることにとても感動していました。中には「家族に自慢したい」と言ってくれる方もいました。
日本人の部長層からも「入社以来ここまで深く学んだのは初めて」といった声が多く、意外なほど好評でした。クラレの歴史をすごろく形式でたどる「ダイアログワークマット」は特に印象深かったようです。時間をかけて過去を丁寧にたどることで、自身のリーダーシップや組織課題を考える視点が自然と引き出されていたように感じます。
倉敷でのフィールドワークを通して、クラレの原点や創業者の想いに触れたことも、多くの参加者にとって強い動機付けになっていたようです。研修終了後には「自部署のメンバーにも受けさせたい」という声が出るなど、将来的な広がりの可能性も感じました。
最後に、このプログラムの意義をどう感じていますか?
もともと、ただ理念を学んで「よかったね」で終わってしまうのではないかという懸念がありました。ですが、今回のプログラムでは、「クラレの理念を学んだ上で、それを自分のリーダーシップや組織マネジメントにどう生かすか」という点が明確に言語化されていたことが非常に良かったと思います。
KLPに参加しているメンバーは部長クラスの方々なので、それぞれが自分の部署の運営や組織開発にも責任を持つ立場です。学んだことを自部署に持ち帰って活かすという意識が自然と生まれるような設計になっていたのもポイントでした。
また、「過去を振り返ることで、自分の事業課題や組織課題、リーダーシップの在り方を考える」ことが、非常にパワフルな体験になるのだと改めて実感しました。時間をかけて丁寧に過去に向き合うことで、未来に向けた行動につながっていくという流れを、まさに参加者自身が体感してくれたのではないかと思います。
