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変化の時代で「リーダーシップへの信頼」を構築する方法
目次
変化の時代といわれる今、組織において「リーダーシップへの信頼」を構築するのは容易ではありません。
誰もが絶え間なく続く変化と混乱のなかで不安に陥るなか、「自らの上司・リーダーはどのような判断と決断を下すのか」に注目しています。
ただ一方で、予想・予測が困難な状況下でいかに判断や決断を下し、自らのリーダーシップへの信頼を得るのかに悩むリーダーも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、変化の時代において「リーダーシップへの信頼」を構築するために必要な情報を紹介します。本記事にて紹介する内容は、世界を代表するビジネス人材育成のプロであるCCL(Center for Creative Leadership)が、綿密なリサーチおよび支援実績を基に導き出したものですので、ぜひ参考にしてください。
そもそも「リーダーシップへの信頼」とは
そもそも「リーダーシップへの信頼」とは、「組織およびリーダーの判断・決断を信じて頼ること」です。社員たちが組織の方向性や実行力、自分自身の能力を疑うようでは、彼らは高いパフォーマンスを発揮できません。
このことは、複雑な変化と不確実性を抱える今日の環境では特に顕著であり、社員たちはより少ない人数でより多くをこなすことを求められています。
リーダーシップへの信頼は双方向的であり、段階的に築かれるものです。相手の信頼を得るためには、リーダーもまた部下に対する信頼を示す必要があります。こうした関係性は、長い時間をかけて構築され、速いペースで変化が進む世界においてチームや組織が行動を起こすために必要となる信頼関係を維持できるのです。
CCLの研究を通じて、組織における信頼関係の構築が必要であることが浮き彫りになりました。信頼関係が強い環境では、社員は能力を発揮し高いパフォーマンスを発揮します。高い生産性を生むエネルギー、創造性、スピード、そしてより良い成果をもたらします。さらに、共通の目的に向かって一致団結し、リスクを恐れず、お互いをサポートし合い、率直で誠実なコミュニケーションをとることもできるのです。
以上から、効果的にリーダーシップを発揮するためには、個人、チーム、組織全体のいずれにおいても、信頼関係を築き、維持する方法を知る必要があります。
変化の時代で「リーダーシップへの信頼」を構築するポイント
変化と混乱が絶え間なく続く時代において「リーダーシップへの信頼」をどのように構築すればよいのでしょうか。以下でポイントを2つ紹介します。
変化の起こり方を理解する
混乱期において効果的にリーダーシップを発揮するには、厳しい環境の中でリーダーシップへの信頼を創り上げなければなりません。
そのためにも、まずは組織は以下2つの側面から変化が起こることを理解しましょう。
- 構造的側面
外的現実およびその現実に対処するために必要な業務システムやプロセスの変化(例:新型コロナウイルスの世界的パンデミックに対応するための組織の再構築) - 人的側面
社員たちが新たな現実や業務プロセスに対して考え方、行動、文化を適応させる際に必要な内面的および心理的変化
構造的側面の変化に対処するためにリーダーは、強みを活用し、組織全体のコミットメントを生み出す必要があります。同時に人的側面の変化に対処するために、社員と感情を通わせて、彼らが変化のプロセスのどの段階にいるかを認識し、レジリエンス、好奇心、思いやりを持つことの模範を示さなければなりません。信頼関係は、この2つの側面のバランスを取ることで構築されます。
リーダーシップは「yes, and」であることを理解する
リーダーシップは、しばしば正解のない選択を迫られます。
例えば、組織変革の最中にリーダーは、行動を起こさなければならないという緊迫感を伝えるべきか、社員が変革を理解して適応していくのを忍耐強く見守るべきなのでしょうか。または課題に対して、楽観的な見方を示すべきか、それとも現実的な見方を示すべきでしょうか。
現実的には、リーダーはどちらか一方だけを選択する余裕はありません。
リーダーシップへの信頼を構築し、共に前進していくためには、両方を選択する必要があります。これが、「パラドックス」または「両極端(polarity)の難問」と呼ばれるもので、双方の視点を明確に捉えつつ、そのバランスを取りながら信頼を構築する能力が必要です。
リーダーは、変化の構造的側面と人的側面のどちらかに対処するという2者択一な方法をとるのではなく、「yes, and」アプローチに焦点を当てることによってのみ、変化における目標に向けて前進することができるのです。
リーダーたちはチームを信頼し、迅速に行動することが必要であり、そのためには信頼関係の構築が欠かせません。チームは信頼のスピードで動き、組織全体はチームのスピードで動くのです。これこそ「yes, and」型のリーダーシップといえるでしょう。
リーダーシップへの信頼を構築するためのバランスの取り方
CCLの研究により、変革期や移行期にリーダーが信頼を築き、維持するためには、6つの重要なパラドックスを把握する必要があることが明らかとなりました。
オンラインによる「Leadership Development Program(LDP)®」の参加者は、CCLの「Leadership Paradox Wheel」というツールを使って、これらのパラドックスを探究しています。
この輪を使うことで、リーダーが直面する不安を認識し、常に両者を念頭に置きながら、必要に応じて一方のパラドックスを強調することで、より強い信頼関係を構築できるようになります。
例えば、構造的変化においては「物事を前進させる緊急性」が必要ですが、社員が考え方を転換し、新しい条件やプロセスに適応するためには「現実的な忍耐力」が必要です。
リーダーは、こうしたパラドックスのどちらかの側面を無視する、あるいは誇張しすぎると、信頼を失います。
変化をあまりにも性急に押し進めると共感と忍耐に欠けていると見られ、反対に切迫した様子を見せないと変化のプロセスが滞り信頼が失われる可能性があります。どちらに偏ってもリーダーに対する信頼が失われます。
変化の時代におけるリーダーシップの鍵は「信頼」
変化の時代におけるリーダーシップの鍵は「信頼」です。
Dennis ReinaとMichelle Reinaの研究によると、信頼は人間にとって大切な欲求を表していることがわかりました。信頼を受けると、その信頼に応えようとし、そのために自分自身を信頼するという良い連鎖が生じます。
信頼関係があれば、組織は目的に向かって相互の関係性を高めて一致団結し、目標を受け入れ、進んで協力し、最高の仕事をする力を得ることができるのです。反対に信頼関係が無いもしくは弱いものになると業務遂行が困難になり、多くの時間を要してしまいます。
変化のスピードが速い現代における組織では、リーダーにはこれまで以上に信頼されることが必要といえるのです。
リーダーシップへの信頼に満ちた組織を実現するために
リーダーシップへの信頼に満ちた組織を実現するためには、組織全体での継続的な取り組みが必要です。さらに各リーダーは、誠実さを示し、行動を変え、境界を越えて違いに対処するという大変な仕事を率先して行わなければなりません。
弊社「株式会社インヴィニオ」は人材育成のプロとして、学びを知識や能力のレベルに留まらせるのではなく「実力」へと昇華させることにコミットします。事業の成果として表れるように、人や組織が保有する「成果を生み出す能力」を引き上げ、引き出し、顕在化させることを重視しています。
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